最終更新日 2022年8月2日
人生で焦りを感じている人は多い。
10代や20代前半の頃はそこまで気にならなかったが、30代や40代にもなれば、少しずつ人生に焦りを感じてくる。
自分は人生で何かしたのだろうか?
生きてる意味などあるのだろうか?
この先どうなるのだろうか?
最近は若いうちからこうした不安に悩まされる人も多い。
実際、人生に対する焦りほど人を悩ますものもないだろう。
仕事にしろ恋愛にしろ、ふとした時に「このままでいいのだろうか?」と考えることも多い。
しかし、そもそもなぜ人生に焦りを感じてしまうのだろうか?
個人的な意見になるが、人生で焦りを感じる人は基本的に「今」に集中していない。というよりも、現状に満足を感じていないといえる。
どういうことか?
人生の焦りの正体とは「不安な感情」であり、気持ちが未来にしか向いていないからこそ、焦りを感じてしまうのだ。
焦りの正体は「不安」
たとえば、仕事に焦りを感じている人は「このまま続けていて大丈夫なのだろうか?」と考えている人が多い。
将来的にAIに仕事が奪われると言われ、自分も何かしらのスキルや能力を身につけたほうがいいのではないか、と不安になるのだ。
恋愛にしても、30代にもなればそろそろ結婚しなきゃ相手がいなくなると思い、この先の人生を1人で生きていくことに不安を感じ始める。
若い頃は1人でも平気だと思っていた人も、歳をとって周りが結婚して家庭や子供を持ちはじめると、次第に言い様のない焦りを感じはじめる。
「あれ、自分は本当にこのままでいいのだろうか?」と。
仕事も恋愛も、焦りを感じる背景には「不安」が存在し、不安な感情は「未来」を考えることから生まれる。
老後の不安とはまさにその典型例だ。未来のことを考えれば考えるほど、すべてにおいて確実性がなくなっていく。
つまり、人は不確実でわからないからこそ、不安を感じるのだといえる。
未来は不確実でわからないのが性質である。言うなれば、未来と不安はコインの表と裏だ。
元々切っても切れない関係。未来について思考すれば、必ずそこには不安な感情がついてくる。
ただ不安になるのは無意味
だが、人生に対して焦りを感じるのは悪いことじゃない。焦りは行動を起こす原動力になることもある。
「このままじゃいけない」と自分を奮い立たせることで、今まで惰性で生きてきた自分を変える人もいる。
何かをきっかけに自分の人生に焦りを感じることは、自分の人生を変えるきっかけになる。
とはいっても、ただ焦りを感じるだけでは何も変わらない。
大抵の人はふとした時に焦りを感じたとしても、見て見ぬふりをし、またいつもの日常の中へと戻っていく。
「いつか変わるときがくる」「なんとかなる」と思いながら、人生の警告を表す焦燥感をかき消してしまうのだ。
そして気づいたときには手遅れになっている。
人生は思っているよりも短いというのは真理である。
「まだ大丈夫」と思っているうちに歳を重ね、次第に「もう遅い」という思考に変わっていく。
それが人生の後悔につながっていく。
不安を味方につける
現代では不安と焦りは悪者扱いされている。
「不安になることはありません」「焦らなくても大丈夫ですよ」という言葉がSNS上でもたくさん飛び交っているのがわかる。
でも、ダメなのは無意味に不安になること、行動しないくせに焦りだけを感じている場合だけだ。
さきほども述べたように、不安と焦りは人生を変えるきっかけになる。
大事なのは、不安の感情をどう使うかなのだ。
不安と焦りを原動力にし、今までの自分から脱皮するためのきっかけにすればいい。
小さなロウソク程度の不安や焦りならひと吹きで消し飛んでしまうが、人生に対する大きな不安や危機感といった焦りは、強風を味方につけることができる。
実際、人が本当に変わる瞬間というのは、人生に対して危機感を感じる瞬間しかないと思っている。
「このままの人生ではダメだ」という危機感を強く感じるほど、人生を大きく変える原動力になる。
口だけでダイエットしたいと言っていても何も変わらず、結婚式や水着になるというイベントがあることで危機感を感じ、強い意思でダイエットを実行できる。
不安もそれと同じだ。
不安は人生に対する危機感を感じさせ、不安を味方につけることで人生はより良いほうへと変わっていく。
不安と友達になろう
人間は障害があるからこそ頑張れる。
常に障害物を避け、優しい言葉に甘えてばかりいては本当にダメになってしまう。
よく言われるように、痛みこそ人を成長させるのだ。
不安と焦りといったネガティブな感情は、人生をより良く生きるきっかけになる。
私は基本的にマイペースで生きているが、だからといって不安や焦りを感じないわけではない。
一人が好きでも孤独感に負けそうになるときもあるし、ふとした時に他人と自分を比較して焦りを感じるときもある。
将来のことを考えて眠れなくなる日だってもちろんある。
でも、それもすべて含めて人生なのだ。
不安を抱えていない人間なんて存在しないし、悩みのない人間だっていない。
焦りを感じないほど恵まれた生活を送っている人はどれだけいるだろうか。
私たちが学ぶべきは、障害を火に変える方法であり、障害物を避ける方法ではない。
ネガティブな感情を排除するのではなく、手懐ける方法。
そして、何もかも不確実でわからない世界の中で、それなりに楽しく幸せに生きられる方法である。
不安になることを怖がっちゃいけない。
焦りから目を逸らしちゃいけない。
それはあなたがあなた自身に送っているシグナルであり、「あなたの人生を変えるタイミングは今ですよ」と教えてくれているかもしれないのだ。
私たちはもっと、不安と友達になる必要があるのではないだろうか。
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