インデックス投資は危ない。市場はあなたが思うほど単純ではない

インデックス投資は危ない
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最終更新日 2026年7月23日

ここ数年、投資や資産運用に興味を持つ人たちが増え、若い人たちの中にも投資をしている人が増えています。

YouTubeなどでお金の知識について発信している人も増え、本屋に行けば投資についての本がここ2〜3年で格段に増えていることがわかります。

ちょっと賢くて、お金の勉強をしている人であれば、「投資をするなら長期でインデックス投資」が現段階では一番最適な投資と言われているとすぐに気づくでしょう。

「長期でインデックス投資をしていれば損をすることはない」

「変なことをせずにずっと買っておけば、過去のデータから将来お金持ちになれることがわかっている」

そう思いながら毎月インデックス投資をコツコツ買っている人も多いはずです。

でも、はたしてそれは本当に正解なのでしょうか。投資について何も知らないズブの素人の初心者が、脳死でインデックス投資していれば本当に将来お金持ちになれるのでしょうか。

明日何が起こるのかもわからず、どんどん複雑になっていくこの世界で、お金持ちになれる方法だけが昔よりもずっとずっとシンプルになったと確信できるのはなぜなのでしょうか。

個人的には、インデックス投資については懐疑的で、ただ買い続けるだけで30年後にお金持ちになれるという主張は信じていません。

私の結論は単純です。

「そんなわけがない」

あくまで私見ですが、この記事ではインデックス投資が危ないのはなぜなのかについて書いていきます。

 

リスクと不確実性の違い

世間がインデックス投資に夢中になっている中で、「インデックス投資は危ないですよ」と言うと、「逆張り乙」「もっとデータを見れば?」「はいはい、勝手に言ってろ」と言われるのがオチです。

実際、友達や知り合いに「インデックス投資ってどう思う?」と聞かれ、「リスクがわからないなら投資はしちゃダメだよ」と言うと、「でも長期で投資していれば損しないんでしょ?」なんて言葉が返ってきます。

投資に興味がある人たちの多くは、自分たちがリスクをわかっていないことをわかっていません。どんなリスクがあるのかもわかっていないですし、リスクは予測不可能であることもわかっていません。

経済学者であるフランク・ナイトは、「リスク」と「不確実性」を明確に区別しています。

ナイトが言うリスクとは確率が計算できるタイプのもので、交通事故にあったり、餅を食べて喉に詰まらせて死んでしまったりするような事象のことを指します。

交通事故にあったり、餅を喉に詰まらせて死んでしまったりする事象は、過去のデータから簡単に確率が計算できます。

大数の法則からして、より多くの母数を集めれば、交通事故に遭う確率と餅を喉に詰まらせて死んでしまう確率は、ベル型カーブである正規分布に落ち着くと推測できます。

来年いきなり交通事故に遭う人の数が例年の10倍になることはありませんし、餅を喉に詰まらせて死ぬ人もそこまで急激に増えたりはしません(頭のおかしいドライバーが渋谷のスクランブル交差点で暴走したり、餅を食べれば認知症が治るみたいな発見がされて餅ブームが起きなければですが)。

一方、ナイトが言う不確実性とは確率がまったく計算できないもののことです。

つまり、何がリスクなのかもわからない状態、過去のデータからでは見えないもののことを不確実性と呼びます。

さて、インデックス投資にはリスクと不確実性のどちらがあるでしょう?

 

インデックス投資の根拠は過去のデータ

インデックス投資が危ないのは、投資が不確実性にまみれているからです。というより、私たちが住むこの世界そのものが不確実性にまみれています。

インフルエンサーやYouTuber、賢そうに見える投資家がよく言う「長期で見れば平均リターンは7%前後に落ち着く」といった話の中には、過去のデータの中に存在する事象から調べられる確率しか入っていません。

でも、市場は不確実性の世界であって、確率が計算できる世界ではありません。

過去のデータの中の一番の暴落が、今後起きる暴落の中で一番の暴落とは限りません。

S&P500の過去最大の下落率は、リーマンショック時の50%〜60%。でもそれはサブプライムローンがきっかけで起きた下落であって、これから起きる下落の原因がサブプライムローンであるわけではありません。

もし中国と米国が戦争し、米国が中国に負けたとしたらどうでしょうか。

インデックス投資でよく引き合いに出される長期チャートは、1945年に米国が第二次世界大戦に勝利し、世界一の大国となったあとの成長を表したチャートです。

その頃の米国は債務比率も低く、どれだけ借金をしても経済成長によって返済できるほど国力がありました。

でも、今の米国の債務比率は対GDP比で約120%前後、第二次世界大戦後以来の歴史的な水準となっています。

つまり、インデックス投資が右肩上がりで今後も成長していくという話の根拠は、米国が第二次世界大戦に勝利し、これから経済発展していきますよ、というタイミングの長期チャートなのです。

さて、今後も右肩上がりのチャートが続くと思いますか?

 

過去のデータは将来の予測には使えない

こういうことを言うと、もっと古いデータを出してきて「過去200年チャートでも長期で投資していれば右肩上がりですよ」と言ってくる人もいます。

私が言っているのは、「市場は不確実性にまみれていて、過去のデータは将来のチャートの予測には使えない」ということ。

長期で30年だとか200年だとか、そういう話をしているのではありません。本質的に市場は不確実で、過去のデータにない出来事が起きれば、過去の下落率なんてものは何の役にも立たないのです。

そして、今後世界で何が起こるかなんて誰にもわかりませんし、米国と中国が戦争する確率なんてものもわかりません。

私の頭で理解できるほど世界は単純ではありません。何がわからないかもわからない状態なのに、株式市場のリスクは云々などと語るのは、何にもわかっていないからです。

私たちにせいぜいわかるのは、世界は不確実性にまみれていて、今後誰も想像できなかったような出来事が世界を襲うということだけです(そしてそのタイミングがいつかもわかりません)。

ロシアンルーレットを避けるべきなのは、死ぬ確率が6分の1だとしても、当たったらすべておしまいだからです。

インデックス投資をしている人の多くは、老後の資金のために投資している人が多いでしょう。

「毎月5万円を30年インデックス投資し続ければ5000万円以上の資産ができる」と信じ、節約しながらドルコスト平均法で投資し、老後困らないようにせっせと積み立てる。

でも、不確実性が市場を襲い、今後数十年にわたって下落を続けたらどうでしょうか。

あなたが大切に大切にしている資産の半分以上が消えてしまったら?

過去にそんなことがなかったからといって、今後もないとは限らないことは、さっき言ったとおりです。

過去のデータから「確率的に低い」からといって、それは「起こらない」ということではありません。

ロシアンルーレットと同じで、起きたときに致命的な損失となるのであれば、起こる確率なんてものは無意味なのです。

 

私のポートフォリオの中身

「そんなことまで考えないといけないなら投資なんてできないだろ」という声が聞こえてきます。

ひとつ勘違いしてほしくないのは、私は投資を否定しているわけではなく、リスクと不確実性の違いを理解し、リスクではなく不確実性に対する心構えをしておこうと言っているだけです。

バフェットの「自分が理解しているもの以外には手を出すな」という言葉に関心を抱く人は多いですが、同じ人が不確実性をリスクと勘違いしてインデックス投資しているのはおかしな話。

だから私は友達にインデックス投資を薦めることはしませんし、わかったつもりになって「投資しないと損だよ」とドヤ顔で語ったりもしません。

そして、私自身もインデックス投資はしていません。

私が持っているポートフォリオのほとんどは短期国債です。具体的には、資産の7割が短期国債、2割がゴールドやシルバーなどのハイリスク商品、そして1割が普通預金

もちろん、これは私と同じポートフォリオを推奨しているわけではなく、ただインデックス投資を批判するなら自分のポートフォリオの中身を語るのが筋だと思っているだけです。

市場は不確実だとか言いながら、他人に投資銘柄を推奨したり、〇〇に投資すべきだなんて語るのは、自分で使ってもいないものを「これいいよ」と薦めるようなもので、それは詐欺師と変わりません。

厳密に言えば、国債にだってリスクはありますし、私のポートフォリオだって完全ではなく、絶対に安心とは限りません。

でも私は、自分が市場についてわかっていないことの方が多いことをわかっています。

 

リスクを負う人の責任

「長期でインデックス投資をすれば必ず右肩上がりになる」という情報を盲信し、毎月コツコツとインデックス投資しているのが悪いわけではありません。

でも、自分が何をやっているかわかっていないのであれば話は別です。

リスクと不確実性を取り違え、自分はちゃんと株式投資のリスクをわかっているなんて思ってはいけません。

過去に起きなかったことが今後起きない可能性はゼロではありません。むしろ、過去に起きなかったことが今後起きる可能性は100%です(そんなの当たり前だろと思うかもしれませんが、投資の話になるとなぜかわからない人が多いのです)。

私の話に「何かデータはあるんですか?」「根拠を教えてください」と言ってくる人もいます。

でも、「インデックス投資が危ない」と言うのに論理的な裏付けのある説明は必要ありません。むしろ、証明しなければならないのは、今後何十年もインデックス投資が右肩上がりで上がり続けると主張している人たちです。

そして、インデックス投資が上がり続けると主張するのであれば、もし上がらなかったときは自分も致命的な損失を受ける立場に身を置かなければなりません。

みんなに「インデックス投資は今後何十年も上がり続けるから買え」と言っておきながら、自分は買っていない、もしくは上がらなくても困らない立場にいるのは筋が通っていません。

何かを主張するのであれば、その主張に対する倫理的な責任を負わなければ、その主張は戯言にしかならないのです。

 

何に投資すべきなのか?

インデックス投資が危ないもので、本当は投資の最適解ではない可能性があるのだとしたら、いったい何に投資すればいいのか。

答えは「わからない」です。

先のことは誰にもわかるはずがなく、何が値上がりするかは神のみぞ知ります。私たちにできるのは、たとえ暴落や下落相場が来ても大丈夫なようにリスクヘッジしておくことだけです。

インフルエンサーの言うことを盲信し、インデックス投資に老後の資産を託したり、子どもの教育資金を貯めている人は、これから何十年も下落相場が続いたら致命的な損失になってしまいます。

でも、インデックス投資が危ないからといって、何も投資せず銀行預金に預けておくだけでは、インフレ負けして資産が減ってしまう。

だから私は短期国債に資産の7割を投資し、2割をゴールドやシルバーなどハイリスクだけれどハイリターンな商品に投資しています。

もちろん、国がデフォルトするリスクもゼロではありませんが、株式市場よりは安心ですし、会社と比べてそう簡単には国家は破綻しません。

何度も言いますが、これは短期国債が最適解だと言っているわけではありませんし、短期国債なら100%安全だと思っているわけでもありません。

ただ、都合の良すぎるインデックス投資のチャートよりは、短期国債のほうが安全に資産を任せられると思っているだけです。

何が投資の最適解なのかは、自分の頭で考えなければなりません。

他人がこう言っているから、有名な人がこう言っているからという理由で、都合のいいお話を盲信して大事な資産をこの先何十年も不確実性に晒して本当に大丈夫なのか。

その答えがイエスなのであれば、毎月ドルコスト平均法でコツコツインデックス投資を買っていけばいいでしょう。

でも、仮にこれから何十年も下落相場が続いて、資産の50%以上がなくなって困るというのであれば、一度自分のポートフォリオについて真剣に考えたほうがいいかもしれません。

市場は、起こるはずのないことが起こる場所であり、リスクと不確実性を勘違いした人たちからお金を奪っていく場所なのです。

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