最終更新日 2024年2月5日
こんにちは、竜崎(@ddd__web)です。
みなさんは、つい自分のことを正当化してしまうことはありませんか?
- なんとなく間違っていると感じていても、自分が正しいと思い込んでしまう。
- 都合の悪いことは無視し、自分にとって都合のいいことにしか目を向けない。
人は誰でも自分のことを否定するのが苦手です。
他人の間違った行動には敏感に反応しますが、自分のことになると咄嗟に自分を守る行動をとってしまいます。
何となく自分が間違っていると感じていても、自分を肯定するように物事を捉え、自分の選択や決断が間違っていないと思い込んでしまう。
こうした状態は、心理学的に「自己正当化バイアス」と呼ばれるものです。
今回の記事では、まず自己正当化バイアスの心理について仕事と恋愛を例に解説し、後半では自己正当化しないためにはどうすればいいのかについて解説していきます。
自己正当化は度々間違った選択をする原因となり、後悔することも少なくありません。
本当は間違っているのにも関わらず、間違いを認めたくないために、自分を守るように自己正当化してしまう。
後悔や間違った選択を少しでも減らすために、ここでしっかり自己正当化バイアスについて学んでおきましょう。
目次
自己正当化バイアスの心理
自己正当化バイアスは「正常性バイアス」とも呼ばれ、自分にとって都合の悪い情報を無視し、自分を正当化する人間の認識の欠陥のことです。
誰しも少なからず間違うことがあるものですが、自己正当化バイアスに陥ってしまうと無理やり自分を正当化してしまいます。
これは頭の良さは関係なく、どんな人にも見られる心理的な特徴です。
ここからはまず、仕事や恋愛などの日常生活の中に潜む、自己正当化バイアスの具体例とその心理について見ていきましょう。
仕事に潜む自己正当化バイアス
ほとんどの人は、仕事で何かしらの大きなミスをしたことがあるでしょう。
たとえどれだけ高学歴で優秀な人であっても、仕事で一度もミスをしたことがない人はいないはずです(自分ではミスだと認識していない場合は除く)。
仕事でミスをすれば上司や先輩から怒られ、次は同じミスをしないようにと釘を刺され、メンタルが弱い人は次の日まで引きづることも少なくありません。
しかし、人間には「忘れる」というとても便利な機能な備わっているため、どれだけ大きなミスをしたとしても時間が自然と解決してくれます。
そうしたミスや失敗を繰り返すことで、人は少しずつ自分に自信をつけていき、同じようなミスや失敗をしなくなっていく。
ですが、その自信こそが自己正当化バイアスを引き起こします。
自分に自信を持てば持つほど、根拠のない自信も増していき、できるかどうかわからないことまで「できる」と思い込むようになる。
その結果、過去にうまくできなくてミスをしたことでも、「今回は以前とは違う」と自分を正当化し、同じようなミスを繰り返してしまうのです。
自己正当化は思い込みと自信過剰をもたらす
もちろん、「今回は違う」と自信を持って挑戦していくのも時には大事です。
今回は成功するかもしれないし、自分なりに100点を獲得できるぐらいうまくできるかもしれない。
しかし、そうした根拠のない自信は大抵失敗に終わります。
人が成功を夢見るのは、他人の成功する姿に自分の姿を重ねるからです。
他人にできるなら自分にもできるかもしれないと思い、物事を単純化して考え、自分も特別な存在なのだと思い込むようになる。
しかし、もしその他人の成功が実力ではなく、運のおかげだったとしたら?
目にする成功した人たちが、たまたまうまくいっただけしたら?
自己正当化バイアスによって後押しされた自信は、現実の自分の実力を過大評価します。
過度な自信を持った状態で、大事な仕事や人生の選択をするとどうなるでしょうか。
自己正当化バイアスが大きな後悔につながるのは、思い込みと自信過剰が強くなりすぎるからなのです。
恋愛に潜む自己正当化バイアス
次に、恋愛での自己正当化バイアスの例を見ていきましょう。
恋愛の領域で自己正当化バイアスに陥ってしまうのは、「失恋した後に出会った異性に対する想い」がもっともわかりやすいです。
前の恋人に対して、「あれだけ好きだと言っていたくせに、結局はずっと前から浮気をしていたクズだった」という文句や愚痴を友達から聞いたことがある人も多いでしょう。
そうした人は、別れたときこそ「しばらく恋愛はいいや」と言ってはいるものの、数ヶ月もすれば「恋人ができた!」と言っていたりします。
「浮気されて恋愛はしばらくいいんじゃなかったの?」と聞くと、「今回の人は前の人とは違う!」と言う。
このとき、その人に起こっているのは紛れもなく自己正当化バイアスです。
つまり、友人は心の底から「今回は違う」と思っているのではなく、単に以前の恋人とは違うと思い込みたいだけ。
もっと言うと、「今回の人は前の人とは違いますように」という願望を抱いている状態です。
失恋(もう恋愛しない!)⇒恋人ができる(今回は前の人とは違う!)⇒幸せ(自己正当化された状態!)
こういうことですね。
人は自分のバイアスには気づけない
たまに、
- 「出会った瞬間に電気が走った」
- 「雰囲気が今までの人とは違う」
- 「こんなに相性が合う人とは出会ったことがない」
といったことを言う人もいますが、このどれもが「今回は違う」と自己正当化しているケースがほとんどです。
さらに、本人は本気で「今回は違う」と思い込んで自己正当化することにより、自分で自分を正当化していることに気づきません。
第三者から見るとそれがただの願望なのがハッキリとわかっても、本人はその事実を認めようとはせず「今回は違う!」と言い張る。
自己正当化バイアスは、正当化している本人はまったく気づかないし、気づかない。
人は自己否定するのが苦手で、常に自分を守りたがります。
つまり、否定の否定をすることで人は自己正当化をおこない、無意識のうちにバイアスの沼にハマっていくのです。
自己正当化バイアスにかからないためには
ここまでは、自己正当化バイアスの心理について仕事と恋愛を例に解説してきました。
自己正当化バイアスにかかると、選択や決断を間違えてしまい、大きな後悔をしてしまいます。
では、どうすれば自己正当化バイアスにかからないようになれるのか。
それには、以下の3つを意識する必要があります。
- 常に自分を疑ってかかる。
- 他人の意見に耳を傾ける。
- 心理学的な知識をつける。
それぞれ詳しく解説していきます。
常に自分を疑ってかかる
自己正当化バイアスにかからないためには、常に自分を疑ってかからなければなりません。
人は誰しも自分がやっていることに自信を持っていたいし、自分の選択や決断は正解だと思いたい欲求があります。
自分の選択は正解だと自己正当化をおこない、自分で自分を納得させて生きているのが人間です。
その人間の性質に抗うには、常に自分を疑ってかかり、自分が間違っていないかどうかを確かめる必要があります。
私も含め、人は自己否定するのが苦手ですが、自己正当化バイアスにかからないためには、自己否定から逃れることはできません。
- 自分の考えや意見は、なぜ正解だと思うのか。
- 自分に都合のいいように物事を解釈していないか。
- 都合の悪いことを無視し、自分の主張の正しさを証明する情報ばかり探していないか。
自己否定が苦手な人でも、意識的に自分の間違いや欠点などに目を向けることで、自己正当化バイアスを防ぐことができます。
人はみんな不完全な存在であり、何一つ間違わない人間も存在しません。
自己正当化は自分を守るためにおこなわなれるものですが、自分に都合の悪いことを無視していては人間的な成長もなくなってしまいます。
自己否定はつらいものですが、自分が正しいと思い込んで大きな間違いをしないためにも、常に自分を疑う心を持っておきましょう。
他人の意見に耳を傾ける
よく言われるように、人は自分の欠点は見えませんが、他人の欠点はハッキリと見えます。
他人に対しての批判がそのまま自分自身に当てはまっていたとしても、それに気づかず偉そうに他人を批判する。
SNSなどでよく見られる「ブーメラン」と呼ばれる現象ですね。
これもある意味、自己正当化バイアスにかかっている状態であり、自分の言うことが正しいと思い込んでいる状態です。
「他人を批判する⇒自分自身にも当てはまる⇒「自分は違う!」と自己正当化する⇒優越感に浸る」
こうした状態から抜け出すには、他人の意見に耳を傾けなければなりません。
さきほど言ったように、人は自分の欠点は見えませんが、他人の欠点はハッキリと見えます。
これはつまり、他人が自分に対しておこなう批判などには、真実が含まれているということです。
他人が述べる批判には、自分では気づけない真実がある。
自分で自分の欠点などを調べようとしても、自分に都合のいい欠点しか見えてきません。
ですが、他人に自分の欠点を聞くと、自分では気づかなかった欠点を知ることができます。
これが自己正当化バイアスから目を覚まさせてくれるのです。
他人の意見に積極的に耳を傾けることで、自己正当化している自分にも気づけるでしょう。
心理学的な知識をつける
実際、自己正当化バイアスにかからないためにもっとも効果的なのは、心理学的な知識をつけることです。
自己正当化バイアスやその他のバイアスにかかってしまうのは、そもそも人間にはどういうバイアスがあるのかを知らない点にあります。
多くの人は「バイアス」という言葉自体知らないでしょうし、どういう状態になったときに、どういう心理状態になるかというのもわかりません。
わからないことには対処しようがないため、知らずうちに自己正当化バイアスにかかってしまうのも仕方ないと言えます。
ですが、心理学やバイアスなどの知識をつければ、「自己正当化バイアスに陥っているかもしれない」と気づけるでしょう。
バイアス(思い込み)は知識があれば防げる。
人生での大きな失敗や後悔は、感情や思い込み、自信過剰などから生まれます。
自己正当化してしまう心理にしても、「なぜ自己正当化してしまうのか」という根本的な心理部分がわかれば、事前に対象が可能です。
今日ここで自己正当化バイアスを理解しただけでも、今後の人生で自己正当化にかかる機会は減るでしょう。
バイアス自体をなくすことはできませんが、それは知識で対処可能なことを頭に入れておいてくださいね。
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【まとめ】自己正当化を防いで、失敗と後悔を減らそう!
今回の記事では、自己正当化バイアスの心理について、自己正当化しないためにはどうすればいいのかについて解説してきました。
まとめは以下のとおり。
- 自己正当化バイアスとは、自分にとって都合の悪い情報を無視し、自分を正当化する人間の認識の欠陥のこと。
- 自分を守るために、自分は間違っていないと思い込むことで自己正当化がおこなわれる。
- 自己正当化は自分の願望と思い込み、自信過剰によって強く働く。
- 自己正当化バイアスを防ぐには、常に自分を疑い、他人の意見に耳を傾ける必要がある。
- 心理学的な知識をつけることで、バイアスを事前に防ぐことができる。
自己正当化バイアスは、私も含め誰もがかかる可能性がある心理的な現象です。
自分は自己正当化なんてしていないと思っていても、第三者から見ると自己正当化に見えることもあります。
自己正当化がやっかいなのは、自分では中々気づくことができない点です。
自己正当化バイアスを防ぐには、自分の意見や考えを疑いつつも、他人の意見に耳を傾けなければなりません。
人は自分の欠点よりも他人の欠点がよく見えるので、他人の意見には金言がたくさん含まれています。
つい自己正当化してしまう人、自分では自己正当化しているとは気づいていない人は、まずは自分を疑うことからはじめてみましょう。
自分に都合のいい情報ではなく、あえて自己否定する情報のほうを意識すれば、自己正当化バイアスにかかることも減るはずです。
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