こんにちは、竜崎です!
みなさんは、つい自分のことを正当化してしまうことはありませんか?
- 間違ってるとわかっていても、それが自分には正しい選択であると言い聞かせる。
- 都合の悪いことは無視し、自分にとって都合のいいことにしか目を向けない。
人は誰でも自分のことを否定するのが苦手です。
他人の間違った行動には敏感に反応しますが、それがいざ自分のこととなると、とっさに自分を守る行動をとってしまいます。
何となく自分が間違っていると感じていたとしても、頭の中では自分を肯定化するように物事を捉え、自分の選択や決断が間違っていないと思い込んでしまう。
こうした状態は、心理学的に「自己正当化バイアス」と呼ばれるものです。
今回の記事では、自己正当化バイアスとはどういうものなのか、自分を正当化しないためにはどうすればいいのかについて解説します。
- 自己正当化バイアスとはどんなものなのか。
- 仕事や恋愛に潜む自己正当化バイアスの例。
- 自己正当化バイアスに陥らないための方法。
今日自分が下した決断は、実際には自己正当化されたものかもしれない。
本当は間違っているのにも関わらず、間違いを認めたくないために、脳が自分を守るように自己正当化しているのかもしれない。

目次
自己正当化バイアスとは

まずはじめに、自己正当化バイアスとはどういうものなのか解説します。
自己正当化バイアスは「正常性バイアス」とも呼ばれ、自分にとって都合の悪い情報を無視し、自分を正当化する人間の認識の欠陥のことです。
誰しも少なからず間違った選択をするものですが、自己正当化バイアスに陥ってしまうと無理やり自分を正当化し、自分で自分を守ってしまいます。
これは学歴や職歴に関係なく、どんな人にも見られる心理的な特徴です。

仕事に潜む自己正当化バイアス
ほとんどの人は仕事で何かしらの大きなミスをしたことがあるでしょう。
たとえどれだけ高学歴で頭が切れて優秀な人であっても、仕事で一度もミスをしたことがない人は一人もいないはずです(自分ではミスだと認識していない場合は除く)。
仕事でミスをすれば上司や先輩から怒られ、次は同じミスをしないようにと釘を刺され、メンタルが弱い人は次の日まで引きづることも少なくありません。

そうしたミスや失敗を繰り返すことにより、人は少しずつ自分に自信をつけていき、同じようなミスや失敗をすることが少なくなっていく。
ですが、その自信こそが自己正当化バイアスを引き起こすのです。
人は自分に自信を持てば持つほど、根拠のない自信も増していき、できるかどうかわからないことまで「できる」と思い込むようになります。
その結果、うまくできなくてミスをしたことでも、「今回は以前とは違う」とまったく根拠も信憑性もない主張を自分に言い聞かせ、同じようなミスをしてしまう。
根拠のない自信の多くはバイアス
もちろん、「今回は違う」と自信を持って果敢に挑戦していくのも時には大事です。
人によっては今回は成功するかもしれないし、自分なりに100点を獲得できるぐらいうまくできるかもしれない。
ですが、大抵そうした根拠のない自信は失敗に終わります。

他人にできるなら自分にもできるかもしれないと思い、物事を単純化して考え、自分も特別な存在なのだと思い込むようになる。
- しかし、もしその他人の成功が実力ではなく、運のおかげだったとしたら?
- 目にする成功した人たちが、たまたまうまくいっただけしたら?
自己正当化バイアスによって後押しされた自信は、現実の自分の実力を過大評価します。
その状態で、人生を大きく左右させる選択や決断をするとどうなるでしょうか。
自己正当化バイアスは、時として人生で大きな後悔にもつながっていくものです。
恋愛に潜む自己正当化バイアス
次に、恋愛の面での自己正当化バイアスを見ていきましょう。
恋愛の領域で自己正当化バイアスに陥ってしまうのは、「失恋した後に出会った異性に対する想い」がもっともわかりやすい例です。
前の恋人に対して、「あれだけ好きだと言っていたくせに、結局はずっと前から浮気をしていたクズだった」という文句や愚痴を友達から聞いたことがある人も多いでしょう。

そんな人に「浮気されて恋愛はしばらくいいんじゃなかったの?」と聞くと、「今回の人は前の人とは違う!」と言われたりします。
このとき、その友達に起こっているのは紛れもなく自己正当化バイアスです。
つまり、友人は心の底から「今回は違う」と思っているのではなく、単に以前の恋人とは違うと思い込みたいだけ。
もっと言うと、「今回の人は前の人とは違いますように」という願望を抱いている状態です。
失恋(もう恋愛しない!)⇒恋人ができる(今回は前の人とは違う!)⇒幸せ(自己正当化された状態!)
人は自分のバイアスには気づけない
たまに、
- 「出会った瞬間に電気が走った」
- 「雰囲気が今までの人とは違う」
- 「こんなに相性が合う人とは出会ったことがない」
といったことも聞きますが、このどれもが「今回は違う」という主張を正当化するために自分に言い聞かせているケースがほとんどです。
さらに、本人は本気で「今回は違う」と思い込んで自己正当化することにより、自分で自分を正当化していることに気づくことがありません。
第三者から見るとただの願望なのがハッキリとわかっても、本人はその事実を認めようとはせず「今回は違う!」と言い張る。
そしてまた破局へと歩みを進めていきます(笑)

冒頭でも言ったように、人は自己否定するのが苦手で、常に自分を守りたがります。
つまり、否定の否定をすることで人は自己正当化をおこない、無意識のうちにバイアスの沼にハマっていくのです。
自己正当化バイアスに陥らない方法

ここまでは、自己正当化バイアスがどういうものなのか、仕事と恋愛での例を出して解説してきました。
自己正当化バイアスに陥ると、人生の大事な選択や決断を間違えてしまいます。
では、どうすれば自己正当化バイアスに陥らず、自分の実力をしっかり見極めたり、謙虚に行動することができるのか?
それには、以下の3つを意識する必要があります。
- 大事な場面では慎重に行動する。
- バイアスの影響の大きさを考える。
- 知識武装してバイアスを手懐ける。

大事な場面では慎重になる
人は誰しも自分がやっていることに自信を持っていたいし、自分の選択や決断は正解だと思い込みたい欲求があります。
そうでもしないと、スーパーで今夜は何を食べるかすら決めることができず、何時間も生鮮売り場と精肉売り場を行き来することになってしまうでしょう。

しかし、仕事や恋愛の場面のように、自己正当化バイアスによって大きな不利益を被る可能性がある場合には、慎重にならなければなりません。
選択や決断をミスしてもあまり大きな問題にならない部分に関してはバカな選択をしても、大して問題はないでしょう。
ですが、人生を左右するような決断をするときには、徹底的に自己正当化と思い上がりを排除しなければなりません。
- 選択を間違っても大して影響はない⇒バイアスのことは気にしなくていい。
- 選択を間違えると大きな不利益がある⇒自分のバイアスを考慮し、慎重に行動するべき。
人はみんな思い込みの中で生きているものですが、思い込みに自己正当化バイアスが加わると大変なことになります。
自分にとって大事な場面では、一度ゆっくりと時間を置き、自分を正当化していないか考えてみるようにしましょう^^
バイアスの影響の大きさを考える
僕自身、物事を考えるときはいつもリスクの大きさを考えるようにしています。

行動の結果に、人生に致命的な影響を与える結果がある場合、選択や決断をするときは強迫観念に取り憑かれたように慎重に行動するようにしています。
一方、行動の結果に致命的な影響が含まれていない場合、あまり深く考えず積極的にリスクを取った行動をする。
自己正当化バイアスにも簡単に騙されますし、合理的な心理学者が言うところの「おバカな行動」もたくさんします(笑)
自己正当化バイアスに陥ったとき、どういう結果になるかを第一に考えること。
これさえ守っていれば、正当化したいときはどんどん自己正当化していいと思います。
正当化は自信にもつながりますし、自分に自信を持たなければならないときもあるでしょう。

知識でバイアスを手懐けよう
さきほど言ったように、自分を正当化するのがいつもダメなわけではありません。
自己正当化バイアスは、自分を守るシステムみたいなものです。
自分を否定するのはつらいし苦しいでしょう。自分の行動や考えが間違っているかもしれないと、否定的な考えができる人は僕を含めほとんどいません。

ですが、あらかじめ「自己正当化バイアスに陥っているかもしれない」と考えれば、選択や決断に対して謙虚になれます。
バイアスに陥ったまま生きていれば、いつか必ず痛い目を見るでしょう。
それなら、知識武装してバイアスを手懐ければいいのです。
バイアス(思い込み)は知識があれば防げる。
バイアスに陥ることで降りかかる影響の大きさを考えれば、普段はバカのまま楽しく生き、大事な場面では慎重に行動できるようになります。
もちろん、人生での大きな失敗やミスも減り、後悔も格段に少なくなるでしょう。

【まとめ】自己正当化を防いで、失敗と後悔を減らそう!

今回の記事では、自己正当化バイアスとはどういうものなのか、自分を正当化しないためにはどうすればいいのかについて解説してきました。
- 自己正当化バイアスとは、自分の都合のいいように正当化すること。
- 仕事や恋愛に潜む自己正当化バイアスの具体例。
- 自己正当化バイアスに陥らないための方法。
自己正当化バイアスは誰もが陥る可能性のある心理的なものです。
自分は自己正当化なんてしていないと思っていても、第三者から見ると自己正当化に見えることもあります。
自己正当化は自分では中々気づくことができない。
仕事や恋愛は人生において大切なものだからこそ、選択や判断を間違えないようにしなければなりません。
自己正当化を防ぐには、
- 大事な場面では慎重に行動する。
- バイアスの影響の大きさを考える。
- 知識武装してバイアスを手懐ける。
の3つが大事です。
自己正当化バイアスについて知っていれば、これからの選択で後悔することは大きく減るでしょう。

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