最終更新日 2024年12月10日
人は何かに期待してしまうと、それが叶わなかったときに強いストレスを感じてしまいます。
「こうなるだろう」と期待して行動した結果、思い通りにいかなかったときに嫌な気分になったことがある人も少なくないでしょう。
これは人間関係においても同じで、他人に対して「こうしてくれたらなぁ」「こうしてくれるはず」と期待すると、それが叶わなかったとき、相手に対して不信感や憤りを感じてしまいます。
ですが、後にそれは大きな間違いだと気づきました。
今回の記事では、これまで私が生きてきて悟った「期待しない生き方で手に入れる本当の幸せ」についてまとめていきます。
何かに期待しながら生きるのが疲れた人、期待を裏切られるのが嫌な人、期待するといいことがないと思っている人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
期待しない生き方とは
「期待しない生き方」と聞くと、一見、悲観的でネガティブで後ろ向きな響きに聞こえます。
どこか人生に冷めているようで、陰キャで毎日つまらない日常を送っているような印象を受ける人もいるでしょう。
期待しない生き方の対象となるのは、主に以下の3つです。
他人に期待しない生き方
おそらく「期待しない生き方」と聞いて、真っ先に思い浮かぶのが「他人に期待しない」ことでしょう。
実際問題、他人との人間関係のストレスの多くは「自分の思い通りにいかないこと」が原因ではないでしょうか。
- 「もっとこうしてほしい」
- 「どうしてそういうことをするのか」
- 「結局、相手は自分のことしか考えていない」
こうした感情が湧くのは、無意識のうちに他人に期待しているからです。
人は自分の思い通りにいかないことがあると、強いストレスを感じてしまいます。
何かに期待している以上、そこには必ず「叶ってほしい」という欲求が存在しているもの。
つまり、「期待=思い込み」です。
他人は自分の思い通りに行動してくれるだろうと、自分勝手に他人を解釈し、思い込んでいる状態。
ですが、他人の自分のおもちゃではないし、自分の思い通りに行動してくれと思い込むのはお門違いです。
他人も自分のために生きているのであって、あなたのために生きているのではありません。
だからこそ、勝手に他人に期待してはならないのです。
他人に期待するのをやめることで、人間関係のストレスの多くがなくなります。
自分に期待しない生き方
他人に期待しない生き方は、人間関係のストレスを大幅に軽減してくれます。
ですが、他人に期待しないだけでは裏切りやストレスから完全に自由になることはできません。
自分に期待しない生き方とは、「自分は特別な存在だ」「本当の自分はもっとできる」「自分はこんなもんじゃない」と思わないこと。
- 「自分は特別な存在だ」
- 「本当の自分はもっとできる」
- 「自分はこんなもんじゃない」と思わないこと
実際、多くの人は自分は特別な存在だと思っています。
人は自分のことを過大評価し、他人を過小評価する傾向があり、多くの人たちは自分は人並みには仕事ができ、会話がおもしろく、頭の回転が早く、判断が合理的で、自分は詐欺に引っかからないと思っている。
こうした傾向は認知バイアスとして知られており、「ダニングクルーガー効果」と呼ばれています。
自分のことを過大評価し、自分は特別な存在だと思っているのは、自分に期待しているのと同じです。
つまり、自分に期待していると、かなり高い確率で自分に裏切られ、失敗したときに精神的に落ち込み、自分に失望して生きることになります。
一方、自分に期待していなければ、はじめからうまくいくとも思っていないので、失敗したとしても精神的なダメージが少ないです。
「自分はできる」と思いながら成功する場合と、「多分うまくいかない」と思いながら成功する場合でも、後者のほうが成功したときの喜びは大きくなります。
自分に期待しない生き方は、精神的な防御にもなり、なおかつ成功したときの喜びを増やしてくれるものなのです。
人生に期待しない生き方
「人生に期待しない」という言葉は、人生を悲観的なものと考えているように思うでしょう。
しかし、人生に期待するのをやめると、人生はつらいのが当たり前と受け入れることができ、生きていくのが楽になります。
刺激を求めて派手に遊びまわったりせず、自分を特別によく見せようとする必要もなく、情緒と感情が安定した状態で生きていくことができます。
人生をつまらなく感じたり、生きるのが嫌になるのは人生に期待しすぎていることが原因です。
- 「今日は何か楽しいことがある」
- 「頑張っていればいつか報われる」
- 「一生懸命に生きていればいいことがある」
他人や自分に期待して思い通りにいかなかったときと同じで、人生に期待していると、それが叶わなかったときに嫌気が差したり精神的に落ち込んだりします。
普通の人の人生は宝くじが当たったり、アイドルと結婚したりなど、一発逆転なことが起こったり、何か特別なことがあったりするわけではありません。
残念ながら、人生に期待しても裏切られるのがオチです。
この事実を受け入れず「人生には何か特別な意味があるはずだ」「いつかきっと何かが起こるはずだ」と期待すると、思い通りにいかない人生に絶望することになります。
ですが、人生に期待するのをやめるだけで、自分なりの平凡な人生を愛せるようになります。
「何でもないようなことが、幸せだったと思う」という歌詞のとおり、人生に期待しなければ何でもない毎日に満足できるのです。
期待しない生き方にある精神的なメリット
期待しない生き方には「他人・自分・人生」の3つがあり、そのすべてに期待しないことで生きるストレスが格段になくなります。
ここからは、期待しない生き方にある精神的なメリットについて述べていきます。
- 裏切りと無縁になれる
- 本当の意味で他人を信用できる
- どんなことでも受け入れられるようになる
- 幸福のハードルが低くなる
裏切りと無縁になれる
多くの人は自分でも無意識のうちに、色々なものに期待しながら生きています。
とくに人間関係、その中でも恋愛では少なからず異性に期待しながら関係を築いているもの。
恋愛では相手に対して「好き」という感情を抱くと、そこには相手に対しての「期待」が生まれます。
愛情には期待が込められていて、期待が満たされなかったときに人は異性から「裏切られた」と感じます。
浮気にも同じことが言え、「付き合っているのだからほかの異性と遊んだりしない」という期待があるからこそ、コソコソ遊んだりされたときに裏切られたと感じる。
期待があるから裏切りが生まれ、他人に期待するのをやめると、そもそも期待していないのだから「裏切られた」と感じることはない。
他人に期待していなければ、自分の思い通りにいかないことがあっても、「そういうものだよね」と開き直りに近い感情で冷静に受け止めることができます。
「裏切られた」という感情はつらいものですが、期待しないことで裏切りという感情からは無縁になれるのです。
本当の意味で他人を信用できる
期待しないことで裏切りとは無縁になれますが、裏切りという感情がなくなることで本当の意味で他人を信用できるようにもなります。
期待しないというのは、あくまでも「自分勝手に相手に求めすぎない」という意味で、他人を自分のおもちゃのように扱わないということ。
他人に「期待」するのではなく「信用」することで、本当の意味で他人を信じて生きることができるのです。
口では「信用している」と言いつつも、いつも誰かを疑っているような人を見たことありませんか?
それは信用しているのではなく、ただ期待しているだけです。
あるのはただ「自分の思い通りに行動してくれるだろう」という自己中心的な考えです。
- 自分の思い通りにいかないと、すぐに裏切られたと言う。
- 嫌なことがあると、すぐに怒り出す。
こうした関係性に信用があるとは言えません。
期待しない生き方であれば、裏切りや依存とも無関係になれるので、心の底から他人を信用できます。
裏切りや依存、憎しみや怒りのない人間関係、ただ相手の人間性を信じている状態、それが本当に他人を信用している状態です。
期待することをやめることで、こうした人間関係を築くことができきます。
どんなことでも受け入れられるようになる
期待しない生き方は、他人・自分・人生に期待しないということですが、それによって人生で直面するどんな出来事も受け入れられるようになります。
余談ではありますが、仏教には「四苦」という言葉があり、これは人生に存在する4つの苦しみである「生老病死」のことを指しています。
仏教は生きること、人生そのものを苦しみの一つとして数えていますが、期待しない生き方というのも、実は仏教思想にかなり近いです。
人生はつらいことの連続であり、苦しいのが人生だと受け入れる。
そうすることで、人生におけるさまざまな出来事を受け入れられるようになるのです。
自分の思い通りにいかないこと、気に入らない他人の言動、いいことがない人生、つらいことばかり起こる人生、つまらない刺激のない毎日。
ですが、仏教思想のように人生に期待せず、「生老病死」を受け入れることで、人生や自分に降りかかることが些細な問題に変わります。
人生で直面するどんなことでも受け入れられるようになるのが、「期待しない生き方」で手に入れる本当の幸せです。
幸福のハードルが低くなる
他人にも自分にも人生にも期待しない生き方というのは、「思い通りにいかないのが当たり前」「うまくいかないのが当たり前」と受け入れる生き方です。
そうすることで、幸福のハードルが低くなり、人生の喜びが人一倍大きくなります。
普段から人生にはいいことがあると思って生きている人と、人生はつらいものと受け入れている人がいる。
2人に同じ嬉しい出来事が起こったとき、どっちの喜びのほうが大きいか?
あくまで感覚的な話ですが、後者のほうが嬉しいことから感じる喜びや幸せは大きいはずです。
いつでも好きなときに水が飲める人と、一日に3回しか水を飲めない人では、水を飲めることに対する幸せはまったく違います。
普段から期待しながら生きている人に嬉しい出来事があっても、それが当たり前だと思い、深く考えたりはしません。
期待しない生き方というのは、何もかも諦めて開き直る生き方ではなく、物事を受け入れて喜怒哀楽の感情を大切にする生き方なのです。
【まとめ】ストレスや生きづらさは「期待しない生き方」で解決する
今回の記事のまとめは以下のとおり。
- 期待するから裏切りや生きづらさを感じる
- 期待しないことで人間関係のストレスがなくなる
- 人生に期待しないから幸せが大きくなる
- 期待しないのは「他人・自分・人生」の3つ
- 本当に信用できる人間関係を築ける
人に裏切られたり、嫌なことをされたり、努力が報われなかったりすることにストレスを感じるのは、自分の中に「期待」の感情があるからです。
「人生は思い通りにいかない」と頭では理解していても、現実で何度も突き付けられると精神的にもキツくなってしまいます。
他人にも自分にも人生にも期待しなくなると、人間関係のストレスが減り、人生でも些細なことに喜びや楽しみを感じられるようになり、今までよりかなり生きやすくなります。
もし人間関係にストレスを感じていたり、人生がつまらないと感じているのであれば、一度自分の中にある「期待」の感情を捨ててみるのがおすすめです。
あらゆるものに期待しなくなるだけで、きっとおどろくほど日常生活からストレスがなくなり、生きやすくなります。