最終更新日 2025年6月19日
世の中には「自分と違う意見を受け入れられない人」「指摘を受け入れられない人」がたくさんいます。
他人に何か言われるとすぐに否定されたと思い込んだり、意見の違う相手を不快に思ったり。
人は誰しも自分の意見が間違っているとは思いたくない生き物です。

では、なぜ素直に自分と違う意見を受け入れられないのか。
それには人間のバイアスが深く関係しています。
- 確証バイアス
- 認知バイアス
- 後知恵バイアス
- 正常性バイアス
- 生存者バイアス
- 自己奉仕バイアス
バイアスとは先入観や思い込みのことであり、自分と違う意見を受け入れられない人のバイアスは「確証バイアス」というものです。
この記事では、自分と違う意見を受け入れられない人の心理から、自分と違う意見を受け入れるにはどうすればいいかを解説していきます。
目次
自分と違う意見を受け入れられない人の心理
自分と違う意見を受け入れられない人は、確証バイアスに陥っているケースがとても多いです。
確証バイアスとは、仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のこと。
つまり、確証バイアスに陥っていると「自分に都合のいい情報ばかりを集め、自分と違う意見は受け入れないようになる」のです。
言い換えると、自分の意見に固執するようになるということ。
確証バイアスは主に研究者や科学者によく見られるバイアスですが、一般人でも自分の意見に固執するために確証バイアスに陥っている人が少なくありません。
そして、確証バイアスを理解すれば、自分と違う意見を受け入れられない人の心理も見えてきます。
確証バイアスの具体例
確証バイアスに陥っている人は自分と違う意見を受け入れられず、自分の意見に固執する傾向が強いです。
確証バイアスは日常生活の中にもたくさん見られます。
たとえば、仕事での確証バイアスの例は以下のような感じです。
あなたはある日、職場で大きな仕事を任された。
1週間後のミーティングでプロジェクトの戦略の詳細を上司に説明し、納得させなければならない。
そこであなたは、ありとあらゆる情報を集める。
過去の成功例をいくつも調べ上げ、成功するであろう戦略を練り上げ、パワーポイントを使って上司に説明する。
しかし、上司があなたの戦略の穴を見つけ、それでは絶対にうまくいかないと言われてしまった。
だが、あなたは上司の意見を受け入れることができない。
なぜなら確証バイアスに陥っているからである。
この場合、確証バイアスによって上司の意見は「反対意見」として感じ、「自分の意見を否定する、間違った意見」だと感じています。
自分に都合の悪い意見は受け入れず無視し、自分の意見を擁護する意見しか受け入れられない。
これが確証バイアスというものです。
確証バイアスと認知的不協和
確証バイアスは自分にとって都合の悪い情報を受け入れない心理的傾向のことを指します。
そして、この確証バイアスと切っても切れない関係にあるのが「認知的不協和」という心理状態です。
認知的不協和とは「自分の意見に合わない情報に不快感を感じる現象のこと」を指す心理的用語。
認知的不協和になると、自分とは違う意見を持っている人のことを不快に感じたり、否定してくる相手を疎ましく感じます。
さらに、人は認知的不協和を解消するために自己欺瞞をおこない、自分を正当化するようになります。

人間の脳は自分を正当化するために確証バイアスに陥り、認知的不協和を解消するために自己欺瞞をおこないます。
自分と違う意見を受け入れられない人の確証バイアスも、突き詰めれば自分を守るための行動です。
誰だって自分を否定したり間違いを認めたりするのは、あまり気持ちのいいものではありません。
ですが、その心理が確証バイアスを引き起こし、自分と違う意見を受け入れられない人にしてしまうのです。
認知的不協和に自己正当化ついては、以下の記事で詳しく解説しているので、興味がある人は読んでみてください。
自分と違う意見を受け入れられない人の特徴
自己正当化の多くは自分を守るためにおこなわれます。
確証バイアスも「自分は間違っていない」「自分は正しいと思い込みたい」という心理により、自分と違う意見を受け入れられない人になってしまいます。
最近の例で言えば、コロナの反ワクチン派の人たちも、確証バイアスに陥っている状態です。
- ワクチンの副反応ばかりに焦点を当て、「ワクチンが有害である証拠(データ)」ばかりを並べ立てる。
- 逆に「ワクチンがたくさんの命を救っているという証拠(データ)」のほうには見向きもしない。
人は誰しも何かしらの意見を持っていますが、実は頭のいい人のほうが自分と違う意見受け入れられないことが多いです。
自分は頭がいいと思っている人は「自分が間違えるはずはない」という思い込みから、深く聞かずに他人の意見は間違っているものと判断します。
たとえ自分の意見が間違っていると薄々感じていても、自分の間違いを認められず、なんとか自分の意見が正しい情報を見つけようとする。
- プライドが高く、自分の間違いを認められない。
- 間違い失敗を恥ずかしいものと思っている。
- 他人のことを見下したりバカにしたりする。
- いつも自分の考えや意見が正しいと思っている。
反ワクチンの人たちをはじめ、占いや陰謀論などを信じる人はこうしたタイプの人が少なくありません。
頭のいい人はプライドも高いため、自分と違う意見を素直に受け入れにくい傾向にあります。
自分と違う意見を受け入れられない人は、バカなのではなく、プライドや根拠のない自信によって自分の間違いを認められない人なのです。
自分と違う意見を受け入れるには
自分と違う意見を受け入れられない状態だと、一緒に仕事をする人や友達、あるいは恋人ともうまくいかなくなるかもしれません。
自分の意見に固執し、反対意見を「否定」としか考えられず、他人のことを疎ましく感じる。
これでは自分にも他人にもいいことはあまりありません。
自分の意見に自信を持つのも大切ではありますが、それ以上に自分と違う意見を受け入れることも大切です。
では、自分と違う意見を受け入れるにはどうすればいいのか。
自分と違う意見を受け入れるために必要なのは、以下の3つです。
- 常に自分を疑う
- 第三者の意見を尊重する
- 謙虚さを忘れない
詳しく解説していきます。
常に自分を疑う
自分と違う意見を受け入れるためには、まず「常に自分を疑う」ことが大切です。
自分と違う意見を受け入れられない人には「自分を信じたい」という心理があります。
そして、自分を信じたい気持ちが強ければ強いほど、自分と違う意見を受け入れられない心理も強くなるもの。
信じていた自分の意見が他人によって否定され、それを受け入れると自分が惨めでバカのように感じてしまう。
人は自分を守るために、自分の考えや意見を信じ込んでしまうのです。
自分を守ろうとすることは悪いことではありませんが、確証バイアスはそうした心理を持っている人に強く働きます。
だからこそ、常に自分を疑い、自分が間違っている可能性を頭に入れておかなければなりません。

はじめは難しいかもしれませんが、自分の意見を客観的に見るように意識することで、自分と違う意見も受け入れられるようになるはずです。
第三者の意見を尊重する
「第三者の意見を尊重する」ことも、自分と違う意見を受け入れられない人に必要なことです。
実際、自分と違う意見を受け入れられない人の多くは、他人の意見には自分の意見ほど価値がないと思っています。
他人を見下している人は、自分が間違っているということに気づかず、自分と違う意見に聞く耳を持ちません。
こうした状態から抜け出すためには、第三者の意見が必不可欠です。

自分と違う意見を受け入れられない人にも、同じことが言えます。
自分と違う意見を受け入れられない人は、自分が他人の意見を受け入れていないとは気づかず、第三者に指摘されてはじめて気づくのです。
自分の周りに、自分と違う意見を受け入れられない人がいるのであれば、本人に直接「あなたは自分と違う意見を受け入れないね」と言ってみるのも、いいかもしません。
あるいは、自分が自分と違う意見を受け入れられないのであれば、積極的に第三者の意見に耳を傾けてみましょう。
自分と違う意見にはたくさんの気づきがあり、自分の間違いを正し、幅広い視点から物事を考えさせてくれる助けになります。
謙虚さを忘れない
自分と違う意見を受け入れられるようになるために、もっとも大事なのは「謙虚さを忘れない」ことです。
謙虚さは「常に自分を疑う」ともつながりがあります。
謙虚さがなければ自分を疑うことはできず、自分を疑っているからこそ謙虚でいられるのです。
人間の知識も含め、世の中には確かなものは存在しません。
自分の意見が正しいと思っていても、状況や環境が変わるだけで「正しさ」なんてものは簡単にひっくり返ります。

謙虚さを忘れずにいれば、自分の意見だけに固執することはなくなるはずです。
【オススメ】アドラー心理学で充実した人生を送れます

生き方や人間関係の悩みを、アドラー心理学で解決。
「アドラー心理学」の知識を身につけることで、自分を見つめなおし、精神的な健康を手に入れ、人間関係のストレスから解放された人生を歩むことができます。
\申込みはコチラ/
まとめ
今回の記事のまとめは、以下のとおりです。
- 自分と違う意見を受け入れられない人は、自分に自信を持っている。
- 自分に自信を持つことで確証バイアスに陥り、自分と違う意見をを無視する。
- プライドが高い人ほど、自分と違う意見を素直に受け入れられない。
- 自分と違う意見を受け入れられないのは、自分を守るためでもある。
- 自分と違う意見を受け入れるには、自分を疑い、自分と違う意見を尊重し、謙虚になる必要がある。
自分と違う意見を受け入れられない人は、確証バイアスによって、自分に都合の悪いことは見ないふりをします。
また、自分勝手な人や自己中心的な人も、確証バイアスに陥り、自分と違う意見を受け入れられなくなります。
確証バイアスは自分が信じているものしか信じない、見ないので、一度陥ると抜け出すのが難しいです。
ですが、常に自分を疑い、自分と違う意見を重し、謙虚な姿勢を持っていれば、自分と違う意見も受け入れられるようになります。
自分と違う意見にはたくさんの気づきがあるので、職場の人や友達、恋人といった人たちの意見を大切にしてみましょう。
人間関係が上手くいってない人の意見や助言を聞く事ができず悩んでいます。
受け入れてしまうと、相手を優位に立たせてしまったようで、指図されている感じがします。
また、昨日私の仕事を手伝うと言ってくれたのですが断りました。心の許せる人に頼みました。そしたらいじめられた、と他の人に言ったそうです。
自分もやっているのに、きづかないのか?
とはいえ、素直になりたいし、負けや受け入れてかわいい女性になりたいんですが、なかなかできません。
たいへん参考になりました。