最終更新日 2023年9月14日
こんにちは、竜崎(@ddd__web)です。
近年、脳科学についての研究が日進月歩で進んでいます。
昔に比べてはるかに脳について深くわかるようになり、それに伴い人間の心理についての理解も深まりました。
しかし、現在でも脳のはたらきのすべてを解明できていなく、どちらかというとわかっていないことのほうが多いのが事実です。
人間の脳は人体に残された最大の謎でもあり、脳のはたらきを完璧に理解することはできません。
ですが、脳について今わかっていることだけでも学べば、今までとは違う世界が見えてくるでしょう。
そこで今回の記事では、脳科学を学ぶのにおすすめの本を厳選して紹介していきます。
脳科学からは人間に関する多くのことが学べます。
人間について深く知りたい人、脳のはたらきに興味がある人はぜひ一緒に脳科学を学んでいきましょう。
目次
脳科学を学ぶメリット
脳科学についての本を紹介する前に、まずは脳科学を学ぶメリットについて見ていきましょう。
私個人が思う脳科学を学ぶメリットは、以下の4つです。
- 人間がどういう生き物なのかがわかる。
- 自己認識を深められる。
- 脳のバイアスに騙されなくなる。
- 決断と選択の後悔を減らせる。
詳しく解説していきます。
人間がどういう生き物なのかがわかる
脳科学というのは、その名のとおり脳の機能について研究する学問のことです。
脳は外からの情報を処理する場所であり、視覚や認知、記憶や学習、予測や思考、言語や問題解決、意思決定から感覚の入力などを司っています。
昔は脳にはそれぞれの感覚や機能に対応する「モジュール」が存在するという説が一般的でした。
しかし、近年では脳はそれぞれの部位が互いに影響し合っているという説が一般的になっています。
脳科学は脳の機能や認知といった部分に焦点を当て、状況や環境に対して脳がどういう状態になるのかを探っている学問です。
- 脳科学は、脳の機能に焦点を当てた学問。
- 脳科学を学ぶことで、状況や環境に対してどういう感情を抱くかなどがわかる。
ほかにも、脳科学に関する本の中では「脳がいかに「私」という人間を作っているのか」という問題を取り上げているものも多いです。
つまり、脳科学を学ぶことは「人間という生き物を知る」という意味でもあります。
自己認識を深められる
さきほどは、脳科学を学ぶことは「人間という生き物を知る」という意味だと言いました。
それをさらにかみ砕いて言うと、「脳を知る」というのは「自分を知る」ということでもあります。
脳は毎日休みなく意識を生み出す仕事をしており、人が眠りにつくと意識を失い、目を覚ますと意識が覚醒するように、人間に「自己」という概念を与えているのが「脳」という偉大な物体です。
アイデンティティといった人格は脳を失くしては存在せず、自分が自分としていられるのは脳があるからにほかなりません。
脳は自己やアイデンティティを作っている張本人。
たとえば、事故などで脳の一部に大きな怪我を負うと、以前とは性格が180℃変わってしまう人もいるのです。
特に大脳辺縁系などに障害があると、恐怖などの情緒的な反応がなくなることも実験からも明らかになっています。
脳がどのように「私」という人格を生み出しているのかはわかりませんが、脳を知ることで自己認識を深めることができるのです。
脳のバイアスに騙されなくなる
脳科学を学ぶメリットの3つ目は、脳のバイアスに騙されなくなることです。
これは心理学にも通じる話ですが、人間の脳には「バイアス」というものが存在します。
バイアスとは簡単に言うと先入観や思い込みのことですが、バイアスに騙されると間違った選択をしてしまうことが多いです。
バイアスは現実の認識を歪め、都合のいいように物事の解釈を変えてしまいます。
- 人生での選択や決断を間違ってしまう。
- 思い込みで判断して、失敗や後悔をしてしまう。
- 自己正当化の罠に引っかかってしまう。
自分の行動が正しいと思っていたとしても、それは脳が自分を自己正当化しているだけかもしれません。
自己正当化は主観的なものであり、客観的なものではありません。 そして主観的な判断は、大きな間違いへとつながることが多いです。
特に情報の複雑性が増している現代においては、主観や直観は間違っていることのほうが圧倒的に増えています。
そうした脳のバイアスから身を守ってくれるのが、脳科学です。
脳科学を学ぶことで「どういうときに気をつければいいのか」がわかり、人生での後悔がグッと減るでしょう。
バイアスについて詳しく知りたい人は、以下の記事を読んでみてください。
- 人の意見を受け入れられない人の心理を解説【自分の意見に固執するバイアス】
- 【利用可能性ヒューリスティックの例】人は頭に思い浮かぶ利用しやすいものを好む。
- 【代表性ヒューリスティックの例】人を外見で判断してしまう心理を解説。
- 【自己正当化バイアス】自己正当化の心理をわかりやすく解説。
決断と選択の後悔を減らせる
脳科学を学べば、自己認識を深められたりバイアスに騙されなくなったりなど、メリットがたくさんあります。
ですが、だからといって今後の人生で間違いをしなくなるわけではありません。
たとえバイアスに気をつけていたとしても、同じようなミスを何度も犯し、その度に何度も後悔するでしょう。
バイアスは人間に生来組み込まれているものであって、バイアスを知っても完全に排除することはできません。
美人を見れば「優しそう」「性格が良さそう」と思ってしまうのと同じで、人間の脳はあらかじめ先入観が組み込まれているものです。
脳科学でわかるのは、そうしたバイアスの影響を減らす方法に過ぎません。その効果は小さいかもしれませんが、人生に与える影響はとても大きいです。
大事な場面でバイアスを排除した客観的な目線で物事を見ることができれば、それだけで決断や選択を間違える可能性も減るでしょう。
脳科学を学ぶのは、人生の後悔を減らすことにも役立つのです。
脳科学を学ぶのにおすすめの本6選
ここまでは、脳科学を学ぶメリットを解説してきました。
ここからは、脳科学を学ぶのにおすすめの本を紹介していきます。
今回の記事で紹介する脳科学のおすすめ本は、以下の6冊です。
本屋に行けば、脳科学について書かれている本はたくさんありますが、専門的な本だと初めての人はチンプンカンプンになるでしょう。
そのため、以下で紹介する本は比較的読みやすく、初めて脳科学に触れる人にもわかりやすい本を取り上げています。
脳科学に興味がある人は、ぜひ読んでみてください。
脳科学は人格を変えられるか?/エレーヌ・フォックス
脳科学を学ぶのにおすすめの1冊目は、エレーヌ・フォックスの「脳科学は人格を変えられるか?」です。
この本は脳を「悲観脳」と「楽観脳」に分け、脳の状態によって物事の意味づけが変わることについて書かれています。
著者は楽観脳を「サニーブレイン」、悲観脳を「レイニーブレイン」と名づけ、脳の状態は後天的に変えられることを明らかにしました。
ほかにも、扁桃体や側坐核、セロトニンといった脳の理解に不可欠なことにも触れているため、脳科学に馴染みのない人にも読みやすいです。
まさに脳科学の入門書といっても過言ではないおすすめの1冊ですね。
サニーブレインとレイニーブレインについては以下の記事でも解説しているので、興味がある人は読んでみてください。
脳はいかに意識をつくるのか/ゲオルク・ノルトフ
2冊目は、ゲオルク・ノルトフの「脳はいかに意識をつくるのか 」です。
この本は主に意識について詳しく書かれている本であり、脳の異常から心の謎を解き明かしています。
人は何を知り、何を知らないのか、人間の意識とはどのようなものなのか、そして脳は自己をどのように認識しているかなど、脳について深く踏み込んでいる本です。
また、脳が生み出す心の問題として抑うつや統合失調症といった症状についても詳しく述べられており、心脳問題に興味がある人も楽しめるでしょう。
脳や心、意識についてなど、幅広く知りたい人はぜひ読んでみてください。
〈わたし〉はどこにあるのか/マイケル・S・ガザニガ
3冊目は、マイケル・ガザニガの「〈わたし〉はどこにあるのか」です。
この本は認知神経科学の世界的権威、ガザニガの脳科学講義になります。
内容としては脳の機能やモジュールについて取り上げ、脳と「わたし」との関係について述べている本です。
人間のありようから、脳の騙されやすさやバイアス、無意識に影響される脳の解釈や自由意志といった概念にまで踏み込んでいます。
脳科学に興味がある人にとっては知的好奇心を刺激する1冊ですね。
意識は傍観者である/デイヴィッド・イーグルマン
4冊目は、デイヴィッド・イーグルマンの「意識は傍観者である」です。
この本も脳と意識の関係性について深く踏み込んだ本であり、知られざる脳の機能について深く教えてくれます。
脳が犯す過ちから、五感を脳がどう解釈するのか、脳と心の問題や、脳に振り回されずに生きる方法など、実践的な内容も描かれているのでわかりやすいです。
知識のない人にもわかりやすくまとめられているので、はじめて脳科学に触れる人でも読みやすくて理解しやすいでしょう。
読みやすく、おもしろい脳科学の本を探してる人におすすめの1冊です。
意識はいつ生まれるのか/ジュリオ・トノーニ
5冊目は、天才脳科学者と呼ばれるジュリオ・トニーノの「意識はいつ生まれるのか」です。
この本は意識に関して唯一、真に有望な基礎理論とも言われる本であり、脳科学の最先端理論について述べられています。
脳科学では「意識」が一番大きな謎でしたが、トノーニは意識の単位として「Φ(ファイ)」を生み出し、脳と意識の関係性を明らかにしました。
脳と意識に関しての本の中では間違いなくトップクラスの良書であり、読み終えると文字どおり世界が変わって見える本でもあります。
脳と意識を理解したいのであれば、必ず読んでもらいたい1冊です。
人間らしさとはなにか?/マイケル・S・ガザニガ
最後の1冊は、さきほど登場したガザニガの代表作でもある「人間らしさとはなにか?」です。
この本は「人間とはなにか」を理解するための最高の科学書であり、脳科学の到達点と言っても過言ではありません。
「人間らしさとはなにか?」「脳のどこがユニークなのか?」最先端脳科学の答えが詳細にまとめられており、人間に秘められた謎が明かされています。
600ページを超える大書となっていますが、その分得られる知識や学ぶべき点が多いです。
読み終えると、今までと違う視点で自分と他人を見ることができるでしょう。
まとめ:脳科学を学べば見える世界が変わる
今回の記事では、脳科学を学ぶのにおすすめの本を紹介してきました。
まとめは以下のとおり。
- 脳科学を学ぶことは、自分を知ること。
- 脳科学で人間の感情についての理解が深まる。
- バイアスについての理解が深まり、騙されにくくなる。
脳科学はとても興味深い分野です。
心理学は心の動きを扱うのに対し、脳科学では人間の頭の中に存在する脳という物体の機能を探求します。
近年、脳科学に関する情報はかなり増えており、現段階でわかっていることを知るだけでも多くの学びが得られるでしょう。
ですが、現在の最先端化学でも人間の脳のはたらきをすべて解明できていません。
脳はまだまだ謎に満ちていますが、それがまた知的好奇心を刺激する最高の学問です。
もし少しでも人間や脳のはたらきに興味がある人は、ぜひ今回の記事で紹介した本を読んでみてください。
脳科学を学び、脳のはたらきを知る前と後では、見える世界がまるで変っているはずです。
また、心理学のおすすめ本が知りたい人は、以下の記事を読んでみてください。
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ありがとうございました。