【運か実力か】平均への回帰を具体例でわかりやすく解説。

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最終更新日 2024年2月5日

こんにちは、竜崎(@ddd__web)です。

みなさんは、こういった経験をしたことはありませんか?

  • 「一度うまくできたことを、もう一度やろうとしたけど失敗した」
  • 「他人の実力を勘違いし、後で失望した」

こうした現象は統計学用語で「平均への回帰」と呼ばれ、日常生活の中に溢れています。

平均への回帰の概要は、以下のとおり。

平均への回帰とは、1回目の試験結果が偏っていた対象について2回目の試験結果を調べると、その平均値は1回目の測定値よりも1回目全体の平均値に近くなるという統計学的現象をいう。

引用:平均への回帰 – Wikipedia

つまり、一回目の結果が平均よりも良かった場合、その結果は偶然によるものであると考え、二回目の結果には偶然がおこらず平均値に落ちつくという現象のことを言います。

一般的には、平均への回帰は統計学などのデータに対して応用するものです。

ですが、今回の記事では難しい統計学の話は一切抜きにして、人生の出来事を平均への回帰の観点から考えて、わかりやすい例で解説していきます。

平均への回帰に騙されることがなくなれば、運なのか実力なのかをはっきりと見極めることができ、人生で大きな失敗をすることが減るでしょう。

 

平均への回帰を日常生活の例から考える

平均への回帰は、チャールズ・ダーウィンの従兄弟であるフランシス・ゴルトンによって提唱されたものです。

ゴルトンは子どもと親の身長の関係性に調べているときに、偶然平均への回帰という現象を発見したと言われています。

はじめに述べたとおり、平均への回帰は平均とは違う結果が起こったときにその結果は偶然であると考え、次の結果は平均値に戻る、つまり回帰する現象のことです。

ここからはまず、平均への回帰を日常生活の例から見ていきます。

 

平均的な生活

ある一日の日常生活を見ても、毎日なにかしらの予想外の出来事がたくさん起こっています。

自分が送っている生活は毎日同じことの繰り返しのように見えて、細部まで目を凝らしてみると一日足りとも同じ日がないことに気づくはずです。

朝起きて通勤し、仕事をこなして帰宅する。かなり単純化してしまえば、普通の一般人の日常生活はそうしたものとなっています。

そうした同じような日常のことを、ここでは「平均的な生活」と定義します。

平均的な生活

「朝起きる⇒通勤する⇒仕事をする⇒帰宅する⇒眠る」

休日は仕事がないので自分の好きなように過ごせますが、その限られた休日もよくよく考えてみれば、いつも似たような休日になっていることが多いはずです。

もちろん、ここでは「一般的な生活」を普通の会社員の生活で考えているため、人によって生活が異なっていることは考慮していません。

ですが、日常生活は基本的には同じようなことの繰り返しであり、人生も同じような生活の繰り返しを繰り返して成り立っています。

 

「平均的な日」と「平均とは違う日」

さきほども言ったように、日常生活は単純化してしまえば毎日同じことを繰り返すだけのものです。

ですが、実際には一日たりとも同じ日を過ごしていることはありません。

いつもは朝ギリギリまで寝ていたとしても、いつもより早く目が覚める日もある。

いつもは仕事が終わらなくて残業していたとしても、今日は早く仕事が終わりたくさん余暇の時間があるかもしれない。

同じような毎日でもまったく同じ日というのは存在しなく、細部に必ずどこかしらの違いがあるはずです。

これを平均への回帰の観点からわかりやすく言うと、以下のようになります。

いつもギリギリまで寝ている(平均)⇒ある日は早く目覚める(平均とは違う出来事)⇒次の日はいつもどおりギリギリまで寝ている(平均への回帰)

もちろん、これはあくまで一例に過ぎません。ほかにも、日常生活の中にはたくさんの平均への回帰があります。

自分の日常生活を振り返ってみても、いくつか平均とは違う出来事が起こった日を思い出せるでしょう。

日常生活の大部分は平均的な日となっていますが、たまに平均から乖離した日が訪れます。

でもそれは一時的な乖離に過ぎず、乖離は時間とともになくなっていくでしょう。

それが平均への回帰ということです。

 

平均に回帰する前には平均とは違う出来事がある

平均への回帰とは、いつもとは違う結果が起こったときに、平均とは違う出来事から再び平均へと戻る現象のことを指しています。

さきほどの日常生活の例でいうと、「ある日たまたま早く起きた日」が平均とは違う出来事であり、「いつもどおりギリギリまで寝ている」というのが平均的な日です

平均への回帰が起こる前には必ず平均とは違う出来事が起こり、その次はかなり高確率で平均値に戻ることになる。

これは仕事や生活、人生で成功した人なんかにも応用することができます。

つまり、仕事で成功した、結果を出せた、上司から褒められたというのは、平均とは違う出来事が起きたときの状態です。

しかし、多くの人は平均とは違う出来事が起こったときに、その出来事が起こったのは自分の実力と勘違いしてしまいます。

統計的データには誤差がつきものですが、それは人間の能力やスキルにおいても言えることです。

同じことを何度もやっていれば、そのうち偶然いい結果が出ることもあるでしょう。

日常生活は、自分が思っているよりも偶然(平均からの乖離)に支配されているのです。 

 

運を実力と勘違いする平均への回帰

世の中には自分の実力で成功する人もいますが、多くの人の成功は運とタイミングがほとんどと言われています。

ですが、成功した本人は自分の実力によって結果を出したと思い込んでしまう。

たとえば、

  • 100mのタイムがいつもより1秒早くて代表選手に選ばれた。
  • でも、そのタイムは単なる平均とは違う出来事の偶然であり、代表選手として走ったときのタイムは平均への回帰により1秒遅くなった。

ということがよくあります。

これは成功した人や結果を出してる人を否定しているわけではなく、「その成功や結果には運が大きく関係しているかもしれない」ということです。

SNSでバズった人や、インフルエンサーと呼ばれる人たちにも同じことが言えるかもしれません。

彼らは平均とは違う出来事が起こって成功したときに、それが運でSNSの投稿や動画が注目を集めたにも関わらず、自分の才能や先見の明によるものだと思い込みがちです。

ですが、実際にはその成功は運と偶然の力が大きいので、その後に続く投稿や動画が同じく注目されることはありません。

そうして、インフルエンサーの多くは時間とともにメッキが剥がれていきます。

世間で一発屋と言われている人たちも、まさに平均への回帰の罠にハマっているのです。

投資家が運を実力と勘違いすることについては、ナシーム・ニコラス・タレブの「まぐれ」という本が辛辣に批判しています。

 

平均への回帰に騙されない方法

ここまでは、日常生活の中に潜む平均への回帰について解説してきました。

平均への回帰は本質とは間違った結果に結びつくため、注意しておかなければなりません。

そこでここからは、平均への回帰に騙されない方法を解説していきます。

ポイントは以下のとおりです。

  • 再現性があるか確かめる。
  • 謙虚に考える。
  • 本当の自分の実力を把握する。

詳しく解説していきます。

 

再現性があるか確かめる

いつもとは違う出来事や結果を自分の実力だと思い込んでしまうと、人生の大きな決断を間違ってしまうかもしれません。

副業が偶然うまくいっているだけなのに本業の仕事をやめたりすれば、平均への回帰が起こったときにうまくいかなくなり、仕事や生活に困ってしまうかもしれない。

もちろん、中には本当に実力がないと成功できないジャンルの仕事もあります。

料理人はたまにしかおいしい料理を作れないのであれば、お店が繁盛することはまずないでしょう。

美容室にしても、いつもガタガタにしか髪を切れず、たまにしかうまく髪が切れないお店が人気店になることはありません。

ほかにも、歯医者や車のエンジニア、プログラマーや外科医といった職業の人たちに、運や偶然が仕事の成功に影響することはないでしょう。

こういった職業では、常に一定の結果を出し続けらないと評価されることはありません。

偶然に左右されない仕事
  • 料理人など何かを作る仕事。
  • 美容師のように一定のクオリティを保つ必要がある仕事。
  • 歯医者や車のエンジニアなどの技術職。
  • プログラマーや外科医のような専門職。

平均への回帰に騙されないコツは、その結果に再現性があるかどうかです。

毎回同じ結果を再現できるようであれば、その結果には平均への回帰は働きません。

一方、何度も同じ結果が得られない場合は、ほぼ確実に平均への回帰の力が働きます。

 

謙虚に考える

一定期間うまくいっているだけで、自分の実力だと思い込むのは危険です。

そうした時期に、人生の中で重大な決断を下してしまうと痛い目を見てしまうでしょう。

平均とは違う出来事が起これば、ほぼ確実に平均への回帰も起こります。

一時的に注目されていた人は、平均へと回帰したときにメッキが剥がれ、平凡な自分へと逆戻りです。

平均への回帰のタチが悪いのは、平均とは違う結果を出したときに注目が集まる点にあります。

嬉しい結果が出たときに周りから褒められれば、誰だって調子に乗ってしまいますよね。

しかし、それが平均への回帰に騙されることにつながります。

平均への回帰に騙されないためには、結果に対して謙虚に考えることが大事。

平均から乖離した結果を喜んでも、最終的には平均への回帰の力によってガッカリすることが目に見えています。

謙虚に考えるというのは、「過度に期待しない」とも言い換えることができますね。

期待しない生き方については、以下の記事で詳しく解説しているので、興味がある人は読んでみてください。

 

本当の自分の実力を把握する

人は目立ったものや普通とは違う出来事に注目してしまう生き物です。

人間の脳はそのようにできているからこそ、人類は現代まで生き延びてこれました。

ですがその特性は、運や偶然が大きく影響する現代の社会にはあまり適していません。

運やタイミングで成功することが増えた現代において、たまたまうまくいったことや、偶然成功したことを自分の実力だと思い込まずにいるのは困難です。

しかし、人生での失敗や後悔を減らすためには、常に自分の本当の実力を把握しておかなければなりません。

そして平均への回帰を頭に入れておけば、予想外の出来事が起こったときにも謙虚でいられます。

  • その結果は、偶然やタイミングの要素が強く働いていないかどうか
  • 以前一度だけうまくいっただけなのに、自分の実力だと思っていないかどうか

調子に乗りそうなときは、上記の質問を自分に投げかけてみましょう。

自分の本当の実力を把握してさえいれば、平均への回帰に騙されることもなくなるはずです。

 

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【まとめ】平均への回帰に騙されずに生きる

今回の記事では、均への回帰を日常生活の例で解説し、後半では平均への回帰に騙されない方法を解説してきました。

まとめは以下のとおり。

今回の記事でわかったこと
  • 平均への回帰とは、平均と違う出来事が起きたときに平均値へ戻る性質のこと。
  • 平均への回帰に騙されると、自分の実力を過大評価してしまう。
  • 運を実力と勘違いすると、人生で大きな決断を間違ってしまう可能性がある。
  • 再現性があるかどうかは、運と実力を見極めるのに役立つ。
  • 平均への回帰に騙されないためには、常に謙虚に考えること。

平均への回帰は、平均と違う出来事が起きた後に平均値へ戻る性質のことです。

うまくいったことがあったとしても、そこに再現性がなければ自分の実力だとは言えません。

平均への回帰に騙されると、間違った決断を下してしまう可能性があります。

失敗する多くの人は、偶然うまくいっているときに自分の実力を履き違え、決断を間違ってしまうからです。

平均への回帰を頭に入れておくことで、物事の本質を見極め、運と実力をハッキリ判別できるようになるでしょう。

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