最終更新日 2023年1月22日
こんにちは、竜崎です!
みなさんは、以下のような悩みを持っていませんか?
- 何かをはじめてもすぐに挫折してしまう。
- 一度挫折を経験してから、立ち直ることができない。
- 一つのことを長く続けることができない。
実際、どんなに頭が良くて意思が強い人でも、人生で一度も挫折したことがない人はほとんどいないでしょう。
何かをはじめれば失敗するのは当たり前ですし、途中で投げ出したり諦めてしまうのもおかしなことではありません。

ダイエットを成功させるのも、楽器を弾けるようになるのも、勉強していい大学に入るのも、すべて挫折を乗り越えた先にあるものです。
では、どうすれば挫折しないで物事を継続することができるのでしょうか?
そこで役立つのが古代の知恵の一つ、「オッカムの剃刀」というものです。
古代の知恵の中には、日常生活の中で役立つ知識がたくさんあります。
ビスマルクの「愚者は経験に学び、賢者は歴史から学ぶ」という言葉も、端的にいえば「古代の偉人たちが残した知恵を無駄にするな」と解釈できるでしょう。
そこで今回の記事では、オッカムの剃刀がどういう考え方なのかを紹介し、後半では挫折しないたった1つの方法を解説します。
- オッカムの剃刀とはどういう考え方なのか。
- ダイエットで考えるオッカムの剃刀の具体例。
- 挫折しない方法。
オッカムの剃刀の考え方を知れば、何かをはじめるときに挫折するのを未然に防ぐことができます。

目次
オッカムの剃刀とは

まずは、オッカムの剃刀とはどういう考え方なのかを見ていきましょう。
以下は、Wikipediaからの引用です。
オッカムの剃刀とは、「ある事柄を説明するためには、必要以上に多くを仮定するべきでない」とする指針。
もともとスコラ哲学にあり、14世紀の哲学者・神学者のオッカムが多用したことで有名になった。
このオッカムの剃刀を日常生活を例にして考えると、次のように言い換えることができます。
「何か行動するときに、一つ以上の理由が思いつく場合は行動するべきではない」
これは挫折しない方法を考える上で、とても大事な考え方です。

人は「理由」で行動している
オッカムの剃刀には、前提として「人は理由で行動している」という考えがあります。
- たとえば、朝起きるときも「仕事へ行く」という理由があるからこそ、毎朝起きて会社へ行っている。
- 仕事をするときも「お金を稼ぐ」という理由があるからこそ、多少嫌な仕事でも我慢して働いてお金を稼いでいる。

理由があるからこそ、家でゴロゴロしていたくても、ベッドで一日中寝ていたくても、行動することができています。
しかし、行動するための理由は常にひとつだけとは限りません。
人によっては複数の理由や目的から行動している場合もあり、同じ行動でも一人ひとり理由は異なっているはずです。
何か行動するときに、一つ以上の理由が思いつく場合は行動するべきではない
オッカムが戒めているのは、まさにこの点です。
オッカムの剃刀とアドラー心理学
さきほども述べたように、人が何か行動するときにはその背景に何かしらの理由があるのが普通です。
これはアドラー心理学でも言われていることで、アドラー心理学では「人の行動の裏には必ず何かしらの目的が存在する」ことを「目的論」という概念で説明しています。
ちなみに、アドラーと対立していたフロイトは「人の行動にはすべて何かしらの原因がある」という「原因論」を提唱していました。

言うまでもなく、オッカムの剃刀はアドラー心理学の目的論に通じる考え方です。
つまり、「人の行動の裏には必ず何かしらの目的(理由)があり、行動は目的(理由)によってコントロールされている」ということです。
オッカムの剃刀は人の目的や理由に焦点を当て、必要以上の目的や理由を持つことを否定しています。
というのも、複数の目的や理由を持って行動すると、行動にブレが生まれてしまうからです。
ダイエットが失敗するのはなぜか
ここでオッカムの剃刀から、ダイエットが挫折する理由を考えてみましょう。
ダイエットを始めるときには、ほぼ全員が「痩せたい」という目的を持ってダイエットを始めているはずです。
しかし知ってのとおり、ダイエットに成功する人は挑戦する人の半数にも満たず、8~9割の人は途中で挫折してダイエットに失敗してしまいます。

オッカムの剃刀の視点から考えるとこうなります。
ダイエットをする目的が「痩せたい」という目的以外にも複数存在しているから。
自分では「痩せたい」という目的でダイエットしていても、心の奥底には「異性からモテたい」「周りから褒められたい」といった複数の目的が存在しているということです。
- 痩せて可愛くなりたい。
- 異性からモテるためにダイエットしたい。
- スタイルが良くなって周りから褒められたい。
さきほども言ったように、複数の目的が存在していると行動にブレが生まれるため、途中で挫折してしまうことが多いのです。
挫折しないたった1つの方法

ここまで解説したとおり、オッカムの剃刀とは「ある事柄を説明するためには、必要以上に多くを仮定するべきでない」という考え方のことです。
次はこのオッカムの剃刀の考え方を応用した上で、挫折しないたった1つの方法を紹介していきます。
実際、途中で挫折してしまう人はオッカムの指針に反した考え方をしている人がほとんどです。

複数の目的を持ってはいけない
複数の目的を持って行動するのは、「必要以上の理由を持って行動してはならない」というオッカムの剃刀に反しています。
複数の目的を持ってしまうと、本当に集中すべきところにエネルギーを注ぐことができず、結果として意思の力が弱まってしまうのです。

ダイエットで「痩せたい」という目的以外に複数の目的を持つと、同じ数だけ投げ出す理由を持つことになり、つらいことがあると自己正当化して辞める理由になる。
ダイエットをしていれば、うまくいかないときが必ず来ます。
- 体重が思うように減らない。
- 食事制限にストレスを感じる。
- 運動をするのがめんどくさい。
ダイエットの方法は人それぞれ違いますが、ダイエットを開始して一度も悩まずに減量に成功する人はほとんどいないでしょう。
そうした困難なときに複数の目的を持って行動していると、同じだけの複数の理由が、目の前のつらい現実から逃げるための理由になってしまうのです。
つまり、オッカムの剃刀に反して行動に複数の目的を持つと、
- 痩せたい⇒まだ痩せなくても大丈夫
- 異性からモテたい⇒モテなくても恋人はできる
- スタイルが良くなりたい⇒誰もそこまで気にしてない
- 周りから褒められたい⇒別に褒められなくてもいい
といった、自己正当化と自己欺瞞の心理が働きます。
それを防ぐため、オッカムの剃刀では「必要以上の目的を持って行動してはいけない」と戒めているのです。

挫折するのは複数の目的を持っているから
「何か行動するときに一つ以上の理由が思いつく場合は、行動するべきではない」という言葉は、オッカムの剃刀を挫折しない方法として言い換えた言葉です。
さきほどは「ダイエットが失敗する理由」を例に、オッカムの剃刀に反して複数の目的を持つとどうなるかを説明しました。
- 複数の目的が、同じだけ投げ出す理由につながる。
- 投げ出してもいい理由を正当化するために、自己欺瞞の心理が働く。
挫折してしまうのは、複数の目的を持っているからこそです。
複数の目的は、その目的の一つひとつに対して「諦めるための理由」をつくり出します。
そして、その諦める理由を自分に言い聞かせるように自己正当化したときに、人は挫折するのです。

ダイエットにしろ、勉強にしろ、趣味にしろ、何かを続けていると必ずうまくいかない時期が訪れるはずです。
そのうまくいかない時期に「諦めるための理由」に耳を傾けることで、「やっても意味がない」と思って挫折してしまうのです。
目的を1つだけ持つ
ダイエットであれ何であれ、挫折しないためには行動の核となる明確な目的を1つだけ持つことが大事です。
逆に言えば、もし行動するときに「行動するための理由」をいくつも持っているのであれば、途中で挫折する可能性が高いでしょう。

人は言い訳したり、自分に都合のいいよう理由を作るのがうまいです。
- ダイエットする目的
- 勉強する理由
- 何かを練習する意味
- 筋トレを頑張る目的
こうした行動をするときはオッカムの剃刀に従い、明確な目的を1つだけ持つようにしましょう。
しっかりと根幹の部分の目的さえブレなければ、多少うまくいかないことがあっても簡単には投げ出さなくなります。
挫折は目的のブレからはじまり、目的のブレは複数の「する理由」を持つことからはじまる。
挫折しないために必要なことは、たった1つの目的だけです^^
【まとめ】挫折しないためには、明確な目的を一つだけ持とう!

今回の記事ではオッカムの剃刀がどういう考え方なのかを紹介し、後半では挫折しないたった1つの方法を解説してきました。
- オッカムの剃刀は、挫折しないために役立つ。
- ダイエットなどが挫折してしまう原因。
- 複数の目的を持つと、挫折する理由も同じだけ生まれる。
- 挫折しないためには、明確な目的を1つだけ持つこと。
オッカムの剃刀は「ある事柄を説明するためには、必要以上に多くを仮定するべきでない」という考え方のことです。
これを日常生活の行動に言い換えると、「何か行動するきに一つ以上の理由が思いつく場合は、行動するべきではない」となります。
オッカムの剃刀の観点から考えると、多くの人が挫折する原因がハッキリ見えてきます。
- 行動の目的が複数存在している。
- 複数の目的は、同じだけ「辞める理由」を作り出してしまう。
- 辞める理由を自己正当化することで、挫折する。
実際、「挫折」のほとんどは自分で作り出しているに過ぎません。
自己正当化と自己欺瞞が「挫折する行動」を作り出しているのです。
挫折しないためには、オッカムの剃刀に反していないかどうかを確認してみましょう。
「ある事柄を説明するためには、必要以上に多くを仮定するべきでない」=「何か行動するときに一つ以上の理由が思いつく場合は、行動するべきではない」
オッカムの剃刀の考え方をマスターすれば、途中で挫折することはかなり減るはずです。

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