最終更新日 2024年2月5日
こんにちは、竜崎です!
みなさんは、以下のような悩みを抱えていませんか?
- お金の無駄遣いを減らす方法を知りたい。
- お金を効率よく貯める方法を知りたい。
おそらく、お金に関する悩みは全世代に共通のものでしょう。
心理学的にも、人の悩みの大部分はお金・仕事・人間関係にあると言われ、その中でもお金は現代人にとって大きな悩みの種になっていることも多いです。
ですが、多くの人はお金をたくさん稼ごうとはしますが、そこまでお金の使い方を真剣に考えたりはしません。
もちろん節約ぐらいはするかもしれませんが、心理学的な側面からお金について考えたことがある人はほとんどいないでしょう。
実際、お金の悩みの多くは「稼ぐ」よりも、「使い方」を知ったほうが解決できたりするのです。
そして正しいお金の使い方を知るためには、心理学的な側面からお金について考える必要があります。
そこで重要になってくるのが「メンタルアカウンティング(心の会計)」という心理学理論です。
今回の記事では、無駄遣いを減らす方法を心理学の視点から解説していきます。
- メンタルアカウンティング(心の会計)とは何か。
- メンタルアカウンティングの具体例。
- アンカリングとの関係性。
- 無駄遣いを減らす方法について。
お金の無駄遣いを減らすには、心理学的なテクニックが非常に役に立ちます。
目次
メンタルアカウンティング(心の会計)とは
メンタルアカウンティングとは「心の会計」と呼ばれる心理学用語です。
簡単に言えば「お金を使用する目的や、お金の入手経路などにより、お金の価値や使用する際の基準などが変化する心理現象」のことです。
つまりメンタルアカウンティングとは、お金に対する口座が「銀行口座」と「心の口座」の2つがあることを示している理論なのです。
メンタルアカウンティングの具体例
さきほど紹介したように、メンタルアカウンティングはリチャード・セイラーが提唱した理論です。
しかし、この理論はセイラーが提唱する前から、行動経済学の祖と呼ばれるダニエル・カーネマンとエイモス・トヴェルスキーの2人によって多くの実験がおこなわれていました。
彼らの実験は、以下のようなものです。
あなたは1000円で映画を見ようとしている。
しかし、映画館でチケットを買おうとしたが、財布を開けるとどこかで1000円を失くしたことに気づいた。
さて、あなたは予定どおり財布から1000円を出してチケットを買って映画を見るだろうか?
この質問に対して、「はい」と答えた人は88%、「いいえ」と答えた人は12%という結果になりました。
それでは、次は質問の仕方を変えた結果を見てみましょう。
あなたは事前に1000円で映画の前売り券を買っている。
しかし、映画館についたら前売り券を落として失くしていることに気づいた。
さて、あなたは1000円を出して映画のチケットを買うだろうか?
この質問では、「はい」と答えた人は46%、「いいえ」と答えた人は54%という結果となりました。
おもしろいことに、どちらの場合も2000円の出費となっているのにも関わらず、回答率は全然違う結果になったのです。
人にはお金と心理的な負担の2つがある
さきほど実験結果からわかることは、人はお金に関する口座を心に2つ持っており、状況に応じて口座を使い分けているという結果です。
前売り券を失くして映画館でもう一度チケットを買う場合では、追加で1000円を支払うと感じるため、人は再びチケットを購入することを躊躇ってしまいます。
しかし1000円を失くしたことに気づいた場合では、まだチケット代金として一度も支払いをしていないため、チケットを購入することに対する抵抗は弱くなるのです。
- 前売り券を失くしてから、もう一度買う⇒お金と心理的な負担の2つがあるため、購入しない人が多い。
- 1000円を失くしたのに気づいてから、チケットを買う⇒現金の負担のみなので、金額は同じでも購入を選びやすい。
どちらの場合でも数字として見れば2000円を失っていますが、前売り券を失くして追加で支払う場合には、お金とプラスアルファで心理的な負担が生じてしまいます。
後者もお金としては1000円を失くしていますが、「映画」というまったく関係のないところで失くしているため、会計は心を通しません。
この場合は単なる数字としてのお金を支払うだけなので、チケットを購入する行為に対しても躊躇いが生まれないのです。
人は心理的に「単なる数字としての口座」と「感情的な心の口座」の2種類を使い分けながら、お金を使っている。
お金の入手方法の違い
メンタルアカウンティングという心理現象には、お金の入手方法も関係しています。
一生懸命働いて手に入れたお金と、ギャンブルで偶然手にしたお金とでは、たとえ同じ金額だとしても働いて得たお金のほうが価値があると思ってしまう。
これは「イケア効果」と呼ばれる現象です。
イケア効果は「自分が作ったものを過大評価する傾向のこと」を表していますが、メンタルアカウンティングも同じだと言えます。
お金を手に入れるときに苦労したり努力したりすればするほど、そこから得たお金を数字以上に価値があるものだと思い込んでしまう。
給料という形で手に入れたお金であれば、節約したりして大切に使おうと思うかもしれません。
ですが道端で拾った1万円や、おばあちゃんからもらった1万円には努力や苦悩という心理的な感情が伴っていないため、つい無駄遣いしてしまいがちです。
- 働いて手に入れたお金⇒感情的な心の口座へ貯金。
- 身内からもらった臨時収入やギャンブルで手にしたお金⇒単なる数字としての口座へ貯金。
感情的な口座のほうの貯金を下ろすときには損失という痛みがありますが、数字としての口座のほうは下ろしても数字が変化するだけです。
アンカリングとメンタルアカウンティング
ほかにも、メンタルアカウンティングは「アンカリング」という現象とも関係があります。
アンカリングとは、アンカーとして事前に何かしらの情報が与えられると、後の判断に歪み生じる現象のことです。
- 事前にルーレットを回した後で、国連に加盟している国の数を被験者に尋ねたところ、ルーレットで大きい数字が出た人は大きい数を、小さい数が出た人は小さい数を加盟数として答えた。
- 裁判官にサイコロを投げてもらってから裁判をおこなうと、出た目に応じて有罪率が変化する。
被験者は自分は客観的に判断したと思っていても、その判断は事前のアンカー(錨)によって無意識のうちに歪められているのです。
これをメンタルアカウンティングで考えると、アンカリングによってお金の価値が変化することがわかります。
10万円のカーナビを単品で購入するよりも、300万円の新車のオプションとして10万円のカーナビをつけるほうが抵抗感を抱きにくい。
なぜかというと、単品購入には10万円の重みがありますが、新車のオプションの場合は事前に「300万円」というアンカーがあるため、10万円というお金の価値を低く感じるからです。
メンタルアカウンティングでは、事前のアンカーによってお金の価値が血糖値のように変動します。
数字としてお金を捉えれば同じものだとしても、アンカーがあるだけで10万円を安く感じたり高く感じたりしてしまう。
心理学から学ぶ、無駄遣いを減らす方法
メンタルアカウンティングは、感情が入ることで合理的にお金を考えることができなくなる状態です。
ただの数字としてお金を考えれば合理的な判断ができても、感情が入ることで同じお金でも異なった考え方をしてしまいます。
そこでここからは、無駄遣いを減らす方法を紹介していきます。
ポイントは以下の3点です。
- クレカや電子マネーを使わない。
- お金を使うときは「価値」で考える。
- 「浪費」は回数や金額を決めて使う。
それでは詳しく解説していきます^^
クレカや電子マネーを使わない
メンタルアカウンティングには人間の感情が大きく関係していますが、感情はお金の使い方でコントロールすることができます。
たとえば、クレジットカードは現金で払うよりも心理的なハードルが低く、感情が入り込む余地が少ないです。
しかし支払いをあえて現金払いにしたり、クレカの場合も限度額を低く設定しておけば、お金の無駄遣いは大きく減るでしょう。
アプリの課金もあらかじめ金額を決めておき、それ以上は使わないようにする。
お金は数字でしかありませんが、数字だと思えば思うほど使うときにも実感がなくなるため、無駄遣いが多くなってしまいます。
無駄遣いを減らすには、お金を使うときに「お金を使っている」という実感を出すのが効果的です。
近年は電子マネー化が進んでいますが、現金の実感が薄れれば薄れるほどお金の使い方も荒くなることを覚えておきましょう。
お金を使うときは「価値」で考える
お金の無駄遣いが激しい人は、「価値」でなく「価格」で考える傾向があります。
たとえば本当に必要だから買うのではなく、価格が高いからいいものだと思い込み購入する。
こうした傾向がある人はお金の使い方を間違え、価値のないものに散財することが多いです。
お金は「価値があるものを買う」のが正しい使い方ですが、価値がないものを高い価格で買っていればお金はどんどん減ってしまいます。
無駄遣いとはお金の使い方を間違った状態であり、価値がないものにお金を使っている状態のこと。
お金は感情で使うと無駄遣いに結びつくことが多いため、感情と切り離してお金を使うのが無駄遣いを減らすコツです。
価値のあるものにお金を使うことは必要な「消費」になります。
- 生活必需品の購入。
- 後に価値が高くなりそうなものの購入。
一方、価値がないものの購入は無駄遣いであり「浪費」になります。
- ただ価格が高いものの購入。
- アプリの課金や贅沢品の購入。
浪費は悪いことではありませんが、無駄遣いを減らすには浪費を減らすのが大事なのも事実です。
「浪費」は回数や金額を決めて使う
感情的にお金を使うときは浪費に走りがちですが、それは浪費自体が悪いと言っているわけではありません。
さきほど言ったように、浪費は生活に必要のないものの購入のことであり、言い方を変えれば「贅沢品の購入」ということになります。
ですが、贅沢や浪費が一切ない状態というのもどこか味気ない人生になってしまうでしょう。
そこでおすすめなのが、浪費するときは回数や金額を決めてから使うことです。
- 週一回だけ自分へのご褒美のために美味しいものを食べる。
- 贅沢品の購入は月に1万円までにする。
浪費にこうした条件を付けることで、むやみやたらに無駄遣いすることはなくなります。
さらに、贅沢や浪費できないことへのストレスも溜まりにくく、本当に必要のない分の浪費だけを減らせるでしょう。
浪費は悪いことではないが、無駄遣いを減らしたいなら条件をつけること。
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【まとめ】無駄遣いを減らすには、お金への心理を理解するのが一番!
今回の記事では、無駄遣いを減らす方法を心理学の視点から解説してきました。
- 人はお金を使うときに、お金と心理的負担の2つを感じる。
- お金の入手方法によって使い方が変わる。
- 感情でお金を使うときに、無駄遣いが増える。
- 無駄遣いを減らす方法。
メンタルアカウンティング(心の会計)は、人がお金をどう扱うかを教えてくれる理論です。
人のお金の扱い方はさまざまな場面によって変わり、入手方法が変わるだけでも使い方はまるで異なります。
働いて手に入れたお金⇒感情的な心の口座へ貯金。
身内からもらった臨時収入やギャンブルで手にしたお金⇒単なる数字としての口座へ貯金。
数字だけのお金を使うときにはお金を失うだけの負担で済みますが、働いて得たお金には感情的な負担までかかるのです。
そしてこのメンタルアカウンティング(心の会計)の理論からは、無駄遣いを減らす方法を学ぶことができます。
- クレカや電子マネーを使わない。
- お金を使うときは「価値」で考える。
- 「浪費」は回数や金額を決めて使う。
無駄遣いが多い人は、ほとんどが浪費にお金を使いすぎている人です。
浪費は心を豊かにしてくれるものですが、無駄遣いを減らしたいと思うのであればしっかりと浪費欲をコントロールしなければなりません。
そのためには、今回の記事で解説した「メンタルアカウンティング(心の会計)」ような心理学理論が役立つでしょう。
また、メンタルアカウンティングなどの心理学理論についてもっと知りたい人は、以下の本を読んでみましょう。
■参考書籍
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