最終更新日 2024年2月5日
こんにちは、竜崎(@ddd__web)です。
いきなりですが、先日とある質問をされました。
「毎日同じことを繰り返してても楽しめる人と、嫌気が差す人の違いってなに?」
質問してきたのは親戚の子どもで、その時は深く考えることもなく「性格の問題だと思うよ」と軽く受け流すように答えました。
ですが、一人になって思い返してみると、この問いは実はとても大事なことなのではないかと思い、もう一度考え直することにしました。
実際、社会人の多くは同じような毎日に嫌気が差しています。
特に代わり映えのない仕事、いつもと変わらない顔つきをした同僚、週末の休みを目指して毎日同じことを繰り返して生きる。
来る日も来る日も目の前の仕事をこなし、稼いだお金はストレスを発散させる娯楽に費やし、疲労とストレスをうまく解消しながら生きる。
こうした、毎日同じことの繰り返しに悩む人はとても多いです。
しかし、毎日同じことの繰り返しでも、楽しみながら生きている人も少なからず存在します。
では、同じことの繰り返しを楽しめる人と嫌気が差す人の違いはどこにあるのか。
今回の記事では、脳科学的な視点からこの問題について考えていきます。
繰り返す毎日に嫌気が差している人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
同じことの繰り返しを楽しめる人と、嫌気が差す人の違いとは
毎日同じことの繰り返しを楽しめる人と嫌気が差す人の違いは、「性格の問題」というのも一理あるでしょう。
性格が楽観的な人は、毎日の出来事一つひとつにポジティブな意味づけをし、意味のない時間を楽しく感じる時間に変換することができます。
繰り返すだけの単調な日々も、ポジティブな人間にかかれば毎日が新鮮で楽しく、輝いて見えてくるものです。
一方、悲観的な性格をしている人は、毎日を無味乾燥したものに感じ、ただ毎日同じことを繰り返すだけの無限地獄を生きているかのように感じます。
繰り返す日々に終わりはなく、人生は死ぬまで単調な日々を繰り返すだけの、苦痛に満ちたものに見えてくるのです。
物事はすべて意味づけによって決まる
人生は考え方次第、捉え方次第とはよく言われますが、その本質は物事への意味づけの仕方にあるのです。
たとえば、アドラー心理学では「トラウマ」という現象を明確に否定しています。
トラウマは本人の心意気の問題、つまり「過去の体験に対してどのように意味づけをおこなうかに過ぎない」とアドラーは言っているのです。
アドラー心理学について興味がある人は、以下の記事も読んでみてください。
まったく同じ体験をしていたとしても、ポジティブで前向きな人がその体験に与える意味づけと、ネガティブで後ろ向きな人が与える意味づけは違います。
一人ひとりストレスの感じ方が異なるように、物事の意味や解釈の仕方も人それぞれ異なっているのが普通ですよね。
- ポジティブな人の解釈⇒物事にプラスの意味づけ。失敗は成功の糧と考える。
- ネガティブな人の解釈⇒物事にマイナスな意味づけ。失敗は人生の終わりと考える。
しかし、ここで一つ疑問が生まれます。
仮に、性格によって繰り返す毎日を楽しめるかどうかが決まるのだとすれば、その性格を決めているものは何か?
- 人間の性格は、生まれつき決まっているのか?
- それとも、後天的に変えられるものなのか?
- 悲観的な人が、楽観的な人になることはできるのか?
上記の問いの答えは、結論から言えば「YES」です。
心理学者であり神経学者でもあるエレーヌ・フォックスの著書、「脳科学は人格を変えられるか?」という本に、この問いに関する答えが書いてあります。
サニーブレインとレイニーブレイン
エレーヌ・フォックスは、楽観的な性格をもたらす脳を「サニーブレイン(楽観脳)」と定義し、悲観的な性格をもたらす脳を「レイニーブレイン(悲観脳)」と定義しました。
さらに、脳が物事をポジティブに解釈するか、ネガティブに解釈するかの神経回路には可塑性(変化が残る性質)があり、誰でも努力次第で楽観的な性格になることができるとも言っています。
つまり、日常的な出来事を無理やりにでも楽観的かつポジティブに解釈するクセを脳につけることで、脳の神経回路が悲観的な方向から楽観的な方向へと変化していき、自然と物事をポジティブに解釈できるようになるということです。
- 意識的に物事を楽観的に解釈するクセをつける。
- 脳の可塑性(変化が残る性質)により、脳の思考回路がネガティブからポジティブに変化する。
- 意識しなくても物事を楽観的に解釈できるようになる。
- 楽観的な性格になっている。
悲しいときに無理にでも笑顔を作っていれば、自然と気持ちも前向きになっていくのと同じですね。
人間の脳はいまだに多くの謎に包まれてはいますが、自分の努力次第で物事を解釈する神経回路を変化させることができます。
神経回路が変化することで思考は変わり、それが結果として性格の変化までもたらすのです。
人間は脳がすべてであり、脳の状態によって世界が天国に見えるか地獄に見えるかが決まるといっても過言ではありません。
これは自分の人生がつまらないと感じている人にも有益な考え方です。
世界は見る人の数だけ存在し、みなさんが見ている世界は友達や恋人が見ている世界とは違います。
現実の世界は人の脳の解釈の数だけ存在し、ポジティブな世界を持っている人がいればネガティブな世界を持っている人もいるでしょう。
哲学的な言い方になりますが、世界には絶対的な一つの「世界」が存在しているわけではないのです。
脳の違いが繰り返す毎日を楽しめるかどうかを決める
ここまで解説してきたことを踏まえ、親戚の子どもから言われた「毎日同じことの繰り返しでも楽しめる人と、嫌気が差す人の違いってなに?」に対する正しい答えが見えてきます。
この質問に対する正しい答えは、「性格の違い」ではなく「脳の違い」です。
脳の神経回路の違いこそ、同じことの繰り返しを楽しめる人か嫌気が差す人かを決めるのです。
たとえどんな環境に生きていようが、状況がどれだけ悪かろうが、脳がポジティブ思考回路になっていれば、人生に絶望することなく希望を持ちながら生きることができます。
- 繰り返す毎日に嫌気が差している人でも、物事への思考回路をポジティブで前向きなものに変えることで、ポジティブな人間になることができる。
- 脳がポジティブに慣れることで、自然と性格も前向きに変わっていき、見える世界観も変わっていく。
何があっても前向きでポジティブな意味づけができる人間のほうが、人生を生きやすいのは明らかです。
しかしそれは、ポジティブな人間でなければ楽しく生きられない、というわけではありません。
ネガティブな人の中にも、それなりに楽しく毎日生きている人もいます。
そして次に解説するように、毎日の心意気次第でも人生は楽しく生きられるものです。
毎日を楽しむために意識するべきこと
さて、毎日同じことの繰り返しを楽しめる人と、嫌気が差す人の違いがわかったところで、具体的にはどのように行動を変えていけばいいのか。
さきほど説明したように、脳には可塑性があり、何度も何度も同じ行動をしていれば、自然と脳はその行動をとるのに適切な状態へと変化していくでしょう。
ということは、毎日の生活に嫌気が差している人は、とにかく脳の解釈のクセを変える必要があります。
そのために必要なことは、以下の3つです。
- 同じ一日は存在しないと考える。
- 目の前のことを楽しむ。
- 時間を忘れて没頭するものを見つける。
詳しく見ていきましょう。
同じ一日は存在しない
論理的に考えると、毎日は同じことの繰り返しだとわかっていても、「まったく同じ一日は存在しない」と言えます。
昨日の自分と今日の自分では気分や調子が違いますし、気分や調子が違う自分が昨日と同じことをすれば、昨日とは違う結果が得られるはずです。
やっていることは同じでも、結果が違うという意味では同じ日は存在しません。
ですが、人は論理的思考が苦手で物事を感情的に考えてしまう癖があります。恋愛などはまさに感情論の極みです。
論理的に考えば納得できるようなことでも、感情が介入することで物事を複雑化してしまい、うまくいかなくなってしまう。
そしてこれは人生にも言えることです。
世の中のすべての人が、繰り返す毎日に嫌気が差しているわけではありません。
毎日同じ時間に起き、同じルートで通勤し、同じ同僚と一緒に同じ仕事をし、帰宅してからも同じようなことで時間をつぶし、同じような時間に寝る。
こうした、一見ロボットのような毎日を過ごしていても、日々楽しく生きている人もいるのです。
そうした人は同じ一日は存在しないと考え、昨日とは違う部分に目を向け、毎日を新鮮に生きています。
論理的思考について興味がある人は、以下の記事も読んでみてください。
目の前のことを楽しむ
同じことの繰り返しを楽しめる人は、目の前のことを楽しめる人です。
一方、毎日に嫌気が差している人は、目の前のことよりも将来のことや過去のことで思い悩んだりしています。
毎日同じ仕事をしていたとしても、仕事の一つひとつの部分がまったく同じなわけではありませんよね。
昨日よりうまくできる日もあれば、ミスをして怒られる日もあります。
そうした小さな変化が毎日の中に刺激をもたらすのです。
楽しめる人というのは、一日の小さな変化に敏感な人のことを言います。言い方を変えると、感受性が豊かということです。
感受性が高ければ高いほど、一見同じことの繰り返しの中にも小さな変化を見つけ、楽しむことができます。
- 毎日の小さな変化に気づける。
- 何気ない毎日に幸せを見つけられる。
- 喜怒哀楽が豊かで、充実した毎日を送れる。
みんな過去でも未来でもなく、今を生きています。
毎日を楽しみたいのなら、とにかく今を一生懸命に生きるしかありません。
その積み重ねが脳に変化をもたらし、前向き意味づけへとつながっていきます。
布団の中に入ってあれこれ考えて眠れなくなる人は、目の前の今ではなく、過去や未来に思考が行ったり来たりしているはずです。
先のことを考えれば誰だって不安になりますが、それでは「今日」という日は楽しめません。
毎日を楽しく生きられる人には、他人から見れば同じことの繰り返しのように見えても、その人からは新鮮な一日に見えているのです。
時間を忘れて没頭するものを見つける
脳によって見ている世界や感じる世界が変わると言うと、ネガティブな性格だと人生を楽しめないと思いがちです。
ですが、ネガティブだろうと悲観的だろうと、人生を楽しめるかどうかとは関係ありません。
一見、ポジティブだと思っていた人が、ある日突然落ち込んで自殺してしまうことだってあります。
毎日を楽しむために必要なのは、自分のやるべきことを淡々とやること。
仕事でも趣味でも遊びでもなんでもいいので、自分で決めたやるべきことを毎日淡々とやるだけで、人生は十分楽しく生きられます。
物事をつまらないと感じるのは、惰性で取り組んでいるからにほかなりません。
真剣に取り組みさえすれば、どんなことも楽しくなってきます。これは「没頭力」とも言えるものです。
- ネガティブなことを考えている時間がないので、自然と前向きな思考になる。
- 時間を忘れて楽しむことで、充実した一日を実感できる。
ネガティブな性格をしていても、何かに没頭しているときだけはネガティブな感情から逃れることができます。
そして、そもそも人間は何かに没頭することが大好きな生き物です。現代に存在する遊びのすべては、人間の没頭力がもたらした娯楽でもあります。
毎日同じことの繰り返しに嫌気が差しているのなら、何でもいいから毎日真剣に取り組めるものを一つ持ってみましょう。あるいは、目の前のことにひたすら没頭してみましょう。
そうすれば脳の思考経路が少しずつ変わっていき、意識せずとも物事にポジティブな意味づけができるようになります。
すべての物事に前向きな意味づけができるようになれば、毎日同じことの繰り返しだと感じることはなくなるでしょう。
【オススメです】電子書籍「自分を知る15の質問」が今だけ無料で貰えます
自分のやりたいことや自分軸の見つけ方がわかります。
「DISCOVERYメソッド」で学ぶことで、自分のやりたいことや自分軸の正しい見つけ方がわかり、もう他人に振り回されることがなくなり、自分がすべきことを自分で決断できるようになるでしょう。
まとめ:物事への意味づけをポジティブに変えよう
今回の記事では、脳科学的な視点から「毎日同じことの繰り返しを楽しめる人と、嫌気が差す人の違い」について解説してきました。
まとめは以下のとおりです。
- 物事は意味づけによって捉え方が変わる。
- サニーブレインは楽観脳、レイニーブレインは悲観脳。
- 毎日を楽しめない人は、脳がレイニーブレインになっている。
- 脳の解釈の違いが、毎日を楽しめるかどうかを分ける。
- ネガティブな性格でも、意識を変えればポジティブな性格になれる。
- 毎日を楽しむためには、目の前にことに没頭して楽しむのが大事。
人はそれぞれ見ている世界が違います。
世界をバラ色に見る人もいれば、世界は腐敗したつまらない場所だと見る人もいるでしょう。
その違いは脳の解釈の違いにあり、物事をどう意味づけるかによって変わります。
物事の意味づけがネガティブなものであれば毎日がつまらなくなり、ポジティブな意味づけができれば毎日を楽しく生きられる。
そして、ネガティブな意味づけばかりしている人でも、普段の意識を変えることでポジティブな意味づけができるようになります。
毎日を楽しんで生きている人は、毎日をまったく違う新鮮な気持ちで生きている人たちです。
日々の思考を変えるだけで、おどろくほど毎日が変わって見えてきます。
毎日同じことの繰り返しに嫌気が差している人は、まずは普段の物事への意味づけを変えてみましょう。
意識しなくてもポジティブな意味づけができるようになれば、毎日楽しく生きられるようになります。
■参考書籍
【Twitter】
【note】
【お問い合わせ】
コメントを残す